家は“買うより借りる”がお得!?「マイホーム」にまつわるリスクとはの画像
家は“買うより借りる”がお得!?「マイホーム」にまつわるリスクとはの画像

 結婚をしたら「すぐにでもマイホームを……」、そう考えている人、意外と多いものですよね。でも、マイホームというのは手軽に買える値段ではないですし、買った後も手間がかかるものです。そうした「リスク」を考えずにホイホイと手を出してしまうと、老後にローンが払えなくなり、自己破産したうえに、終の棲家まで奪われることに!? ここではそんな“マイホームの落とし穴”をまとめてみましょう。

 まず「部屋を借りるお金がもったいないから買う」は大きな間違いです。よく聞く話ですが「賃貸家賃で10万円払うくらいなら、買ったほうがいい!」なんて言う人がいますよね。でもこれは、住宅メーカーに都合がいい話だったりするのです。

 たとえば、3000万円程度の住宅を買うとします。駅から徒歩5分圏内で、しかもその駅がターミナル駅、周囲に役所や学校などが揃っており、商店なども豊富で、快適に暮らせる場合であれば「買う」という選択も間違いではないでしょう。

 しかし実際のところ、首都圏であれば3000万円程度では駅徒歩10分以上離れていないと手が届かず、ヘタしたら駐車場すら近くにない場合もあります。維持費、経費、住宅ローン、ローンの利子などと考えていくと、「圧倒的に賃貸のほうが安くて便利だった!」という現実が見えてくるのです。

「買えば資産になる」これもよく言われる話ですが、いえいえ、負債にもなります。「賃貸じゃ何も残らない。買えば少なくとも家は自分のものになる」なんて言う人、いますよね。これも、住宅メーカーよりの見方なのだとか。

 たとえば頑張ってローンを組んで、郊外に3000万円程度の住宅を買ったとします。ローンを払い終わる頃に、その家の価値はいくらになっていると思いますか。よほど運がよくない限り、住宅の価値は半分以下に値下がりしてしまうんです。

 金利が高くなった場合は支払いが増えることも! 減給されてしまった場合や、体調を壊して働けなくなってしまった時には、確実な「負債」として家族の上にのしかかります。

 また持ち家であれば、固定資産税や修繕費などの経費もかかります。屋根の不具合や壁の塗装、庭の手入れ、水道管や排水管の破損、換気扇や湯沸かし器の故障、浴槽やトイレの不具合……これらにかかる修繕費用は、決して安いお金ではないことを、覚悟しておかなければなりません。賃貸であれば、これらは全て大家さんが捻出してくれるんです。

 ちなみにファイナンシャルプランナーによれば、お金に関わる仕事をしている多くの人は、持ち家より借家を選ぶといいます。自営であれば家賃を経費に計上することもでき、気分に合わせて転居することもできるなど、賃貸には実はメリットが多いのです。

 では、どんな人ならマイホームは「買い」なのでしょう。ずばり、潤沢に資金を持っている人のみが、マイホームを購入するべきなのです。

 ポンと現金で支払えるくらいのお金があったり、老後にかかる費用を差っ引いてなお、頭金で2000万円以上出せるくらいの資金があれば「買う」ことに問題はありません。世帯収入が500万円以下で、ギリギリのローンを組まなければならない人や、30年~35年もの長期間ローンを組まなければ難しい場合は、「買う」より「借りる」ほうが圧倒的に安全で安心なのです。

 クレバーな選択をするために、これらの事実をぜひ覚えておいてください。

わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。

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