皐月賞はディーマジェスティが差し切ったが、あの勝利には極端な展開利があった。前半5ハロンが58秒4で後半同59秒5。4ハロンではさらに前半が早い。もともと皐月賞は前半が流れやすい傾向にあるが、今年は極端な前傾ラップになって、持続力型というよりは単純に最後差しが届くという格好になっていた。本来ならタイプが異なる、「キレないディープ」のディーマジェスティと、「キレるディープ」のマカヒキが馬連でコンビを組む結果になったのは、そのためだ。では、過去に、これと近い年はあるだろうか?

 13年のロゴタイプは前崩れというよりは持続力勝負したクチで、レコードタイムも記録。ただ、ダービーは33秒台の上がりを使う追い込み馬に歯がたたず、キズナの5着に終わった。02年のノーリーズンもタイプとしては似ていると思うが、ダービーでは8着。勝ったのは、皐月賞3着(間にNHKマイルCを挟んだ)のタニノギムレットだから、皐月賞上位馬が全部ダメというわけではないが、二冠が容易かというと、そうではないと思える。

 というのも、ダービーでは前半からぐいぐい流れる展開にはならないからだ。最初の1~2コーナーまでは流れるのだが、向正面でいったん流れは落ち着く。その分、脚が溜まるし、いったん前後に馬群も凝縮するので、結局は速い上がりを使える馬が好走しやすい。東京が新コースになって以降のダービーで見ると、結果として上がり最速をマークした馬の成績は〔6・2・2・6〕、上がり2位馬は〔4・1・1・5〕で、勝率・複勝率ともに高く、回収率も単複ともに100%を超えている。

 では今回、上がり1、2位になりそうな馬はどれか。それは、◎マカヒキと○スマートオーディンだろう。特にマカヒキは4戦すべて上がり最速だし、上がりの最高時計も速い。★サトノダイヤモンドあたりも上がり勝負は得意だろうが、特化してきたという点では、◎に軍配が上がる。

 スマートオーディンも決め手勝負型で、△ディーマジェスティが勝った共同通信杯で負けていることが、逆に上がり勝負での可能性を感じさせる。ダービーは基本的に皐月賞組が強いので印は○としたが、◎と同様の可能性を持つ存在だ。

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