宝塚星組トップコンビが「添い遂げ同時退団」秘められたコンビ愛の画像
宝塚星組トップコンビが「添い遂げ同時退団」秘められたコンビ愛の画像

 宝塚歌劇団の星組トップコンビ、北翔海莉(ほくしょう・かいり)と妃海風(ひなみ・ふう)が、2016年11月20日に揃って退団する。トップコンビ就任から約1年半での卒業は、宝塚の歴史でも短いほうだ。しかし、2人は「記録よりも記憶に残るトップコンビ」としてファンから愛された存在といえるだろう。

 北翔海莉は84期生、妃海風が95期生で、11期もの“年の差”コンビ。就任まで一度もコンビ経験がなかったため、2人のトップコンビ就任は「お見合い」とも称された。しかし、組に属さない「専科」で努力を重ねた北翔と、トップスター経験のある轟悠(とどろき・ゆう)の相手役を務めるなどヒロイン経験の豊富な妃海は、「古き良き宝塚」をみごとに体現。その陰には2人の特別な絆も存在していた。

 あるとき北翔は、普段お菓子ばかり食べている妃海の体調を気遣って、自らおにぎりを作って差し入れた。妃海は、最後まで稽古場に残るほど練習に打ち込みながら、後輩を気にかける北翔の懐の深さに感動。それ以来、北翔に習って、周囲に気を配るようになったという。苦手な料理にも挑戦し、北翔にハート型のおにぎりや肉巻きサラダを詰めたお弁当をプレゼントしたそうだ。

「北翔との出会いが財産」とまで語る妃海は、北翔に退団の意思を告げられたときに「一緒に退団させてください」と即答。北翔の退団会見の約5時間後に、妃海の退団も発表された。通常、同時退団の場合でも、トップ娘役の退団発表は1週間~1カ月後であることが多い。この“同日発表”もまた、2人のコンビ愛を強く感じさせる。

 妃海は、退団会見で卒業後の結婚予定について尋ねられると、「北翔さんのような王子様が現れたら、すぐにでも」と答えた。2人の関係は、まさに王子様とプリンセスのよう。公私ともに学ぶ姿勢を忘れず、相手を尊敬し合い、高め合う姿は、宝塚のトップコンビとしての理想形だろう。固い絆で結ばれた2人が、卒業公演でどのような集大成を見せてくれるのかが楽しみだ。

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