閉店間際でもあり、最後に出玉を流して計測する「ジェットカウンター」周辺は大混雑。他人のドル箱に紛れ込んでしまうトラブルはよく起こるので、防犯カメラや計測機の再チェックをして欲しいと猛抗議をしましたが、何らミスはありませんの一点張り。

 当時の換金率は2.5円なので7500円近い損害です。とりあえず店を出てコンビニへ行って、出玉レシートのコピーを取りました。再び店に戻って白服社員を呼び出し、「これを持って所轄の生活安全課へ行って抗議してくる」と告げました。もちろん脅しではなく本気。すると、警察署に向かう途中で白服社員が追い掛けてくるではありませんか(笑)。

 社員に説得され、ホールの事務所で話し合うことに。そして奥にいる店長との一騎討ちです。あまり専門的な追及をするとプロであることがバレるので、最悪の場合こちらが出禁になってしまう可能性があります。しかし、このホールでは同様の現象を何度も体験しているので、思い切って核心を突いてみました。

「わしが打っていた○番台の差玉グラフを見せて欲しい」そう告げると、店長は渋々ホールコンピュータの履歴データを開きました。すると数値はピタリ4万個と数百発の赤字。その台は開店から閉店までわししか打っていないので、言い逃れはできません。

 わしが問いただそうとする前に店長が先に口を開きました。「出玉に関してはお客様の言われた通りです。しかしながらこの差額が発生したのは当店側に何らかのミスがあったとしか考えられないので、補償させて下さい!」 そう言って5000円分の特殊景品をわしの手に押し込みました。

 それでも2000円以上足りませんが、これ以上ゴネてプロ出禁も困るし、警察に行っても店長の顔を潰すことになる。ここはホールに小さい貸しを作れたと考えて引き下がることにしました。

 勘の鋭い人はお気付きかと思いますが、このホールは出玉を計測するジェットカウンターに、出玉をカットする機能が仕込まれていたのです。しかも不正が発覚しないよう、出玉量に応じてカット率を3段階に変えていた模様。こう書くといかにも悪徳ホールですが、とにかく出しまくる超優良釘のホールだったので、悪事と相殺しても「アリ」の店ではありました。

 昨今は『遊技産業健全化推進機構』というチェック組織が全国のホールを立ち入り検査しているので、そういう不正は根絶されています。みなさんは安心してパチンコして下さいね。ちなみにその店は……もうお亡くなりになられました(合掌)。

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