あなたのお給料はいくらですか。その金額で十分な預貯金はできていますか。30代女性の平均年収は約260万円だそうです。アベノミクスなどどこへやら、不景気が続く日本で、老後に不安を残さないためにはいくら用意しておけばいいのか……。そんな気になるお金事情について解説していきましょう。
生きるためには、もちろんお金が必要です。水を飲むのも、電話をかけるのも、食事を作るのもタダではできません。電気代など水道光熱費や電話代、食費、家賃(戸建ての場合は家にかかる修繕費用、マンションの場合は管理費も含む)など、生活にかかる費用は夫婦2人で月に24万円以上です。単身世帯でも15万円は必要となります。定年退職後の60~80歳の20年間を夫婦2人で暮らすだけで、5760万円以上と莫大な費用がかかるのです。
夫婦揃って厚生年金に入っていればある程度は年金でまかなえるので、それを見越して貯蓄しておきましょう。もちろん、いつなんどき会社がなくなるかは誰にもわかりません。多めに貯蓄しておくことが不安を減らす一番の方法です。
国民年金であれば足りなくなる月10万円以上の金額(単純計算で2400万円以上)を老後も働いて稼ぐか、貯蓄しておくしかありません。
また生活費だけでは暮らしていけないのも、人生の辛いところです。冠婚葬祭の費用も思っている以上にかかります。特に高くつくのが「葬」の部分。日本では火葬が義務付けられているので、死ぬだけでもお金がかかります。東京都の調査によれば、一般的な葬儀費用は平均で約200万円です。いわゆる葬儀をせず、霊柩車、火葬、骨壺……と、必要最低限のものがセットになった「市民葬」と呼ばれる公的な葬儀を使用しても20~50万円かかります。
夫婦2人きりなら自分たちの葬儀代を準備しておけばいいのですが、両親、義両親や、身寄りのない兄妹などがいた場合には彼らの分を負担しなければならない可能性もあります。
お墓を持っていない人や、先祖代々の墓に入れない人は墓の購入代も必要になります。永代供養料は30万円~200万円と地域によって差があります。また、年間数千円程度の維持費もかかります。
また不測の事態にも備えなければなりません。交通事故や病気による入院費用も、老後の家計をひっ迫する原因になります。誰もが元気なまま老後を過ごせればいいのですが、今や日本人の死因の3割を「がん」が占めており、入院や手術、術後の投薬治療など長期に渡る出費が必要になるかもしれないことを覚えておきましょう。手厚い保険に加入しておくことも大切ですが、いざという時に動かせる貯蓄を300~500万円ほど用意しておくと安心です。
以上の懸念材料だけを考えてみても、老後とはいえ夫婦なら月30万円以上が、単身でも20万円以上のお金がかかることがわかります。楽しい老後を過ごすために、お金はしっかり賢く、そしてマメに貯めていくことが大切なのです。
わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。