さらに、4年後に迫った東京五輪との絡みもある。「舛添辞職、都知事選という流れになれば、新都知事が任期を満了した場合、その次の都知事選は、東京五輪が開催される2020年夏ということになります。政府も東京都も、ただでさえ慌ただしい五輪開催年に、それはやりたくないでしょう」(前同)

 また大前提として、現行の政治資金規正法は抜け穴だらけ、という問題があることも見逃せない。この点については、橋下徹前大阪市長が自身のツィッターで「政治資金規正法はザル法。公私混同の使い方も違法にしていない。金の支出について記録があれば公私混同でも合法」と、つとに指摘している通りだ。「政治資金収支報告書も公私混同か否かではなく、収支が合っているかどうかが問われる性質のもの。永田町では以前もバーや下仁田ネギの領収書、下着や漫画の領収書など、数々の公私混同が問題になりましたが、報告書を訂正すれば終わり。当初、舛添氏が強気な答弁に終始していたのも、そうした“政界の常識”が頭にあったからでしょう」(鈴木氏)

 法的に問題はないとなれば、後はバッシングの嵐が過ぎるのを待つだけ。評論家の小沢遼子氏も、一過性のメディアに、こう苦言を呈する。「10円の買い物でも必死にやりくりしている主婦から見れば、舛添さんのやったことは言語道断。弁解の余地はないけれど、彼だけ叩けばいいってものでもない。甘利さんの口利き疑惑や東京五輪招致の2億円裏金疑惑についても、しっかり伝えてほしいですね」

 一方、辞任しない理由を、舛添氏の個人的な資質から読み解く声もある。「先月までは、推定380万円という夏のボーナスを満額で受け取るため、6月1日までは都知事の座に居座るだろうという話が出ていましたが、辞任の時期を先伸ばしすれば、当然、報酬はさらに上がります。任期を満了すれば、退職金を合わせて約1億はもらえますから稀代の吝嗇家(りんしょくか)の舛添氏がみすみす逃すわけはない」(夕刊紙記者)

 そのうえ、舛添氏が都知事という権力を手にするまでには、並々ならぬ苦労があった。「07~09年まで一貫して厚生労働大臣を務めた舛添氏ですが、永田町ではまるっきり人望がないため、党内では相手にされませんでした。そこで離党し、新党改革を立ち上げたのですが、13年に任期満了で素浪人に。その後、自民党と手打ちをし、14年の猪瀬問題で降って湧いた都知事の座を射止めたのです」(鈴木氏)

 自公の後押しを取りつけるため、菅義偉官房長官に土下座までしたという。「ようやく射止めた都知事の座ですから、そう簡単に手放すことはないと思います。権力の中枢どころか、常に力学の外にいた存在だっただけに、都知事の座に就き、東京五輪の準備を仕切るという大仕事を果たすことで、永田町へのリベンジができるという思いもあるかと思いますよ」(前同)

 また、辞めない理由として、メンタルの強さを挙げる声も多数あった。「舛添氏は3度の結婚歴がありますが、2人の愛人との間に3人の子どもがいることでも知られています。当時の妻であった片山さつき氏が愛人宅に包丁を持って乗り込んだという話もあるほど、男女の愛憎劇はもちろん、子どもの認知や養育費を巡る修羅場を何度も経験してきた氏にとって、今回の騒動は屁でもないでしょう」(女性誌デスク)

 こうして見てくると、シレッと任期満了という驚きの展開もありえそうだが、「都議会自民党と公明党が舛添氏を見限ったときが、辞めるタイミング。都議会最大派閥が都知事の政策にNOを突きつければ、議会を正常に運営できず、引責辞任に追い込まれます」(鈴木氏) はたして、舛添都知事の辞任Xデーは来るのか!?

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