――なるほど!

いとう:そのとき“墓守り”の話もしたんですよ。

――いきなり、そっちに飛ぶんですね(笑)。

いとう:年齢的には兄貴が先ですけどね。いろいろ考えましたよ。このまま年を取って代々の墓に入るのはちょっと悔しいなって。たとえば「あさこ24歳」って墓石に刻まれていたら何か不幸な感じがするけど、「あさこ92歳」ってあったら、後で子孫が見たときに「嫁に行かなかったから、両親の横に名前があるんだな」って思われるのが嫌でね。実際、ちょっと前までは“終活”についてもいろいろ考えたんですよ。

――どんなことを?

いとう:出棺の曲は、尾崎紀世彦さんの『また逢う日まで』にしようとか(笑)。(イントロの)“♪パッパ・パラッパラ、ファー”のタイミングで霊柩車のクラクションを鳴らしてほしいんですよね。遺影も撮りましたよ。

――どんな写真ですか!?

いとう:赤バックに日本酒の一升瓶を抱えた姿(笑)。

――すっごく、いとうさんらしいです(笑)。

いとう:意外とこれが一番泣けるんですよ! いろいろ撮ったんですけど、生前の人柄が一番現れていて。マネージャーも「ちょっと泣きそう」って言うくらい。今は、60歳ぐらいの年になったら老人ホームに入ろうかなって考えてます。

――早過ぎません!?

いとう:そこが狙いですよ(笑)。だって80歳ぐらいのおじいさんにしたら、60歳なんて、すっごく若いじゃないですか! それで、おじいさんたちを色めき立たせようと考えています。赤いイブニングドレスを着て老人ホームの中をウロウロしたいんです(笑)。で、みんなで取りあうんです、60歳のあさこちゃんを

――モテ期だ!

いとう:そう、人間は3回モテ期があるって言うじゃないですか。私、幼稚園のときはすっごいモテたんですよ! というか、幼稚園しか共学じゃなかったので(笑)。だから、あと2回あるはずなんです。

――20代の男に貢いだ時代は入らないんですか?

いとう:あれはモテ期には入らないですね。まだ女芸人になる前ですが、その時代に生きている、世界に一人だけのマニアがたまたま私の元に来てくれたと思っているんで。これまで同棲した人も含め、つきあうのは飲み友達から始まる人ばっかり。酔わせて、こっちの残像をぼやかすんです(笑)。で、なんかあさこといると楽しい……となっておつきあいに至るんですけど、そのマジックも30代が最後ですね。芸人仲間の大久保佳代子さんとも、同時に結婚して、同じ頃離婚して、60歳ぐらいで紀行番組『いい旅・夢気分』(現『にっぽん!いい旅』)に出るのが一番いいね、って話したこともあるんですけどね。

――ちなみに、相手の男性の条件は?

いとう:特にはないな~って思ってたんですけど、この前、書き出してみたら意外とあって。30個ぐらいかな。「車輪の細い自転車に乗っている人はダメ」とか。

――何ですか、ソレ?

いとう:私の偏見かもしれませんが、そういう人って大体がヘッドホンで音楽を聴きながら運転してて、音に合わせて蛇行しがちなんですよ(笑)。で、曲がるときも大きく膨らむ感じで危なくて。あと、「飲み屋に行くならいつも西麻布」っていうのも……。

――えっ?

いとう:西麻布ってオシャレでおいしいお店がいっぱいあるんですけど、わざわざ電車がないところに行こうって気持ちがね(笑)。

――逆に好きなタイプは?

いとう:指の動きが好きなんです。パッと手を見たときにゴツゴツしていたら「カッコいい」って。顔だけなら、武骨っぽいというかゴリラ顔っていうか。

――年齢は上、下どちら?

いとう:45歳になって上って言うと、いくつなんだよって話じゃないですか(笑)。逆に下だと相手が大丈夫かなって。これまでも同世代が多かったから、それぐらいかな。私ぐらいの世代だとそろそろバツイチが増えてくるので、もうちょっと待ったらいい人が出てくるかもしれませんね。

――そうなることを祈ってます(笑)。最後にこれからについて聞かせてください。

いとう:現在7年目になりますが、今年も単独ライブ(6月13日)があります。最初は「お誕生日会」って名目で始めたんです。誕生日に一人になりたくなくて。

――題名は?

いとう:「発芽玄米~しろくなくてもいいじゃない~」。発芽玄米って、成熟して赤茶になるじゃないですか。白米みたいないい香りもしないし。だけど、力強いでしょ、負けないよ! って(笑)。内容もネタあり、歌あり、ダンスあり、?? あり。まぁ、ババアの体力の限界、生き様をお見せするってところですかね(笑)。

 サービス精神にあふれた人柄はバラエティ番組のまま。終始、パワー全開の現場でした!

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