函館スプリントSは、その名の通り函館で行われるというところがポイントで、洋芝適性が馬券的中の鍵となる。過去10年の函館スプリントSを振り返ると、クロフネ、ファルブラヴ、ストーミングホームなどが勝ち馬を出していて、軽快なスピードというよりはタフな持続力を要求されている雰囲気がある。

 中でも好成績なのはファルブラヴ産駒で、ワンカラットとフォーエバーマークが優勝し、後者は3着も1回。さらに、もう1頭いた出走馬のブルーミンバーも7番人気5着と、人気よりは走っている。もともと1400メートルを得意とする種牡馬で持続力志向なファルブラヴだが、函館の芝1200メートルは合うのだろう。

 今年は産駒から、◎オデュッセウスが出走する。楽しみな1頭だ。このオデュッセウス、活躍馬のほとんどが牝馬というファルブラヴ産駒にあって、珍しい牡馬の活躍馬。育成時代から評価は高く、「ファルブラヴ牡馬でも、これは走るのでは」と言われていた。その期待に応えてオープン特別勝ちを果たしている。ダートの交流重賞でも3着しているような馬なので、時計勝負になると、おそらく無理。北海道シリーズのうちに稼いでおきたいところだろう。

 ◎に問題があるとしたら、前走オープン特別組であること。函館スプリントSは前走重賞組が強く、オープン特別組は過去10年〔1・4・2・52〕で回収率が単11%・複50%と低迷している。◎は3歳馬だから事情が違うとも言えるのだが、古馬については前走重賞組で、函館替わりがプラスに働きそうな馬を選びたいところである。1頭は○アクティブミノル。函館で新馬→重賞を連勝した馬だけに、コース替わりはプラスのはず。ただ、高松宮記念で16番人気ながら4着したことが今回、人気向上につながらないかはやや気がかりだ。

 もう1頭は▲オメガヴェンデッタ。1400メートルがベストの馬だが、1200メートルも守備範囲。昨年のキーンランドカップでは完全な差し決着の中、1頭だけ好位から4着に残っている。3歳馬に戻って★シュウジも、ここでの巻き返しを期待したい存在だ。朝日杯で控える競馬にこだわったあたりからこじれている馬だが、1200メートルなら自分のペースで取れるなりの位置の競馬が可能となる。

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