そして最後に、今でも未解決の誘拐事件があることを忘れてはならない。「今も、子どもの無事を祈って、大きな苦悩を抱えながら、時が止まったような人生を送ることを強いられている人が、いるということですからね」(犯罪ジャーナリスト)

 その一つは、大阪・泉南郡熊取町小4女児誘拐事件。03年5月20日、熊取町の小学校に通う4年生の吉川友梨ちゃん(当時9歳)は、同級生3人と一緒に帰宅していた。女児の自宅から560メートル離れたところで、同級生3人と別れ、さらに別の同級生が女児の自宅から400メートル離れた地点で女児を目撃したのを最後に、忽然と姿を消してしまったのだ。「通学路の付近で、4台の不審車両が目撃されていますが、現在に至るまで、有力な手がかりはなく、女児が身につけていたリュックサックや衣類なども一切、発見されていません。07年からは捜査特別報奨金の指摘事件となっていて、有力な情報には300万円の懸賞金がかけられています」(前同) 14年には、女児が二十歳を迎えることから、成人式が執り行われている。

 96年に起きた群馬県太田市の横山ゆかりちゃん誘拐事件も、現在まで未解決だ。96年7月7日、横山さん夫妻は、長女・ゆかりちゃん(当時4歳)を連れて、「七夕感謝デー」が行われていた近所のパチンコ店に来店。夫妻がパチンコをしている間、暇つぶしに店内を散策して遊んでいたゆかりちゃんだったが、ほどなくして、座っていた長椅子に、ジュースと食べかけのおにぎりを残して、ゆかりちゃんはいなくなってしまったという。

「店内の防犯カメラには、ゆかりちゃんに話しかける“サングラスの男”が映っているものの、画像が荒く、特定するには至っておらず、現在も未解決のままです。ご両親は、テレビの公開捜査番組にもたびたび登場し、超能力者やFBIの捜査官などが、新たな見地からの犯人へのアプローチを試みていますが、大きな成果は出ていません」(テレビ誌記者) 誘拐事件が、当事者たちの心に残す痛みの大きさは計り知れない。

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