しかし、現実的には、球界内では次のような話も飛び交っているという。「巨人は、山田と筒香を早くからリストアップしており、山田にはタンパリング(野球協約違反の交渉)にならないよう注意しながら、水面下ですでに接触しているといわれています。具体的には、ヤクルトとの複数年契約を断るよう、助言しているようです」(球界関係者)

 FA権取得後の“マネーゲーム”になれば、資金力のあるソフトバンクが圧倒的に有利。そこで、巨人は山田を早くから囲い込もうとしているというわけだ。「実は、山田は小さい頃からの巨人ファン。心中では巨人に行きたいという気持ちがあるはずです。交流戦を見れば分かるように、現在はセ・リーグよりパ・リーグのほうがハイレベル。セからパへの移籍はリスクを伴います。山田も、移籍するなら慣れたセのほうがいいと考えているはず」(前出のデスク)

 しかし、山田が「より高いレベルでやりたい」と考え、国内球団ではなくメジャーへの移籍を考える可能性もあるのでは?「ただ、投手や外野手ならともかく、日本人内野手がメジャーで成功するのは非常に難しい。本人も、そこまでメジャーへ強い気持ちを持っているという話は今のところ聞こえてきません」(前同)

 やはり、4年後にFA権を取得し、意中の球団である巨人に移籍するという可能性が最も高そうだ。しかし、実は4年も待たずとも、山田を強奪するウルトラCがある。「ズバリ、トレードです。ヤクルトが昨年優勝したのに、今季、最下位に沈んでいる一番の原因は、極度の投手不足。有力な投手とのトレードなら可能性がないわけではない」(前出の記者) とはいえ、山田に見合うだけの投手となれば、限られてくるだろう。「巨人でいえば、菅野ぐらいでしょう。ただ、巨人が菅野を出すかといえば、まず無理でしょうね」(前同)

 そこで急浮上してくるのが、ソフトバンクへの電撃トレード説だ。「年俸5億円の松坂を遊ばせている現状でも分かるように、投手王国のソフトバンクには、イキのいい投手があり余っています。山田獲得のために、ソフトバンクがエース級の投手を差し出し、そこに金銭的補償を上乗せすれば、ヤクルト側が首を縦に振る可能性は大いにありえます」(同) 交流戦はソフトバンクの圧勝だったが、山田をめぐる両球団の激しいバトルは、これからが本番のようだ。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2