――20歳のときに「女優宣言」をされて、今日に至るわけですが、最近は、母親役での出演が多いですね。

岡田:年齢的に言ったら、そうなりますよね~。実は苦手なんですけど(笑)。

――苦手なんですか?

岡田:やっぱり、子どもがいないので、想像でしか演技ができないんですよ。もっとも、芝居をするっていうことは、そういうことなんでしょうけど。子どもが小さいという設定ならまだしも、今回の武田さんくらいだと、どうしたらいいか、困ってしまうこともあるんですよ。

――これまでも、上戸彩さん、『嵐』の二宮和也さん、神木隆之介さん、深田恭子さん……の母親役をされてきましたが、こう並べると美男美女ばかりですね。ホントの母親だったら、さぞ鼻高々でしょうね。

岡田:そう考えると、若いうちに一人くらい産んでおけばよかったですね(笑)。

――失礼ですが、プライベートでは未婚ですよね?

岡田:でも、結婚願望はいつも持っているんですよ。今は結婚とか籍を入れるという形式的なことにこだわらなくても、いいパートナーがいて、一緒に生きていけたらいいかなって。

――なるほど。いいパートナーの条件とは?

岡田:無口な人にひかれるところがあるんですね。もちろん、何もしゃべらない人、という意味じゃないですよ(笑)。いつも一歩引いててくれて、あまり会話には入らないんだけど、そっと見守ってくれるような。まあ、仕事で言えば、職人さんみたいにコツコツやるような人かな。

――でも、これまで、言い寄ってきた男性がたくさんいたんじゃないですか?

岡田:いや~、それがいなかったんですよ。

――高嶺の花すぎて、声をかけづらかったんですね。

岡田:そんなことないと思いますよ(笑)。

――結婚や家庭への憧れはなかったんですか?

岡田:それが思わなかったんですね。子どもは好きなんですけど、子どもがいるような日常を送るということが、自分には難しいと思っていたんでしょうね。

――“生涯女優”ですね。

岡田:そんな格好いいものじゃないですよ。仕事は仕事で面白いんですけど、どうしても家庭を持ちたい、と強く思う女性ではなかったんでしょうね。

――なるほど。今後、演じてみたい役はありますか?

岡田:若い頃は妹役が多くて、今はお母さん役が多いので、その間の“女”を演じてみたいです。

――恋愛モノですね。

岡田:『海すずめ』の前に撮影した映画がズバリ『恋』というタイトルだったんですね。このヒロインがちょっと自分に似ているところがあったんです……。

――どんなところが?

岡田:なかなか結婚に結びつかない女性だったんですよ。一人の男性をずっと想い続けるところとか……。私に似てるな~って。

――そういえば、以前、出演された映画『戦国自衛隊』でも、そんな一途な女性を演じていましたよね?

岡田:あれ、セリフがひと言も無かったんですよ。でも、そういう役も好きなんです。セリフを覚えるのが苦手とかじゃなくて、セリフがないなら、ない中で、見ている人に訴えなきゃいけない……というのは、やっぱり女優として、演じがいがありますね。

――確かに。ちなみに、お好きな作品は?

岡田:海外の映画だと、メリル・ストリープの『恋におちて』などの大人の恋の話に憧れるんですよ。

――岡田さんが、そういう作品に出るとすると、相手役は誰がいいでしょう?

岡田:それ、いつも考えているんですけどね。実際、ステキな方がいっぱいいらっしゃるんですけど、誰がいいんですかね(笑)。

 アイドル時代と変わらぬ大きな瞳に見つめられ、緊張気味だった記者。失礼な発言の数々、お許しください! 岡田さんが“大人の恋愛”を演じる映画、楽しみにしております。

岡田奈々 おかだ・なな
1959年2月12日、岐阜県生まれ。74年『あなたをスターに!』(テレビ朝日)第2回チャンピオンになり、翌年、『ひとりごと』で歌手デビュー。同年、ドラマ『うしろの正面』(テレビ朝日)で女優デビュー。以降、多くの映画、ドラマで活躍。近年は映画『遠くでずっとそばにいる』(13年)、『恋』(14年)、ドラマでは『警視庁南平班~七人の刑事~』シリーズ(09年~)、『OUR HOUSE』(16年)等がある。

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