首相側近にも疑惑!? 安倍自民「政治とカネ」問題の深い底の画像
首相側近にも疑惑!? 安倍自民「政治とカネ」問題の深い底の画像

 第1次政権崩壊の轍を踏まないよう、ダダっ子都知事に引導を渡した首相。これで盤石……とはまだまだいかず!?

 家族と宿泊したホテル代を政治資金から支払うなど、公私混同の甚だしいカネ使いが世の批判を浴び、ついに辞任へと追い込まれた、舛添要一・前東京都知事。舛添氏への大逆風が決定的になったのが、6月7日にメディアを相手に行われた記者会見だ。「“不適切ではあるが違法ではない”を連発して続投を宣言し、高圧的な態度でメディアに対応する姿に、都民は“何を盗人猛々しい!”と激怒。あれがきっかけとなり、あまりにセコい用途への批判も相まって、一気に庶民を敵に回したのです。最後は、安倍首相が直に電話で“辞職勧告”し、引導を渡しました」(全国紙政治部記者)

 さて、この顚末に、やや疑問を感じる点が二つある。一つは「なぜ舛添氏は会見で、あれだけ自信たっぷりだったのか?」、そして、もう一つは「なぜ、都政と本来関係のない安倍首相が出しゃばってまで、この問題を決着させたのか」。まず第一の疑問に関して、前出の政治部記者が言う。「もともと尊大な人ではありますが、あの態度の理由は、本人の言葉通り“違法ではない”という思いがあったからでしょう」 政治家のカネの出入りを管理する政治資金規正法では、政治家に献金する政治団体と、カネの収支を記した「政治資金収支報告」の届け出を義務づけている。しかし、収入のほうこそ外国人、企業・団体からの政治家個人への寄付の禁止、金額の制限などを設けているものの、支出に関して特に規制はない。「つまり、基本的には帳簿上で出入りの金額さえ合っていれば、何に使っても自由という“ザル法”なのです」(前同)

 ここに、第二の疑問のカギがあるのだ。「もちろん、自民党と関係の深い舛添さんが居座って批判を浴び続けることは、7月に控えた参議院選挙にとって悪影響ではある。しかし、それ以上に首相が恐れたのが、自民党に囁かれてきた数々の“政治とカネ”問題に火がつき、参院選で致命的なダメージを受けること。つまり“延焼”を食い止めたかったわけですね」(元衆院議員秘書)

 実際、安倍首相が2012年12月に再登板して以来、自民党の国会議員の金銭問題は枚挙にいとまがない。この1年だけでも、政治資金規正法違反で市民オンブズマンらが刑事告発した国会議員は、松村祥史参院議員、島尻安伊子沖縄・北方担当相、末松信介参院議員、二之湯智参院議員、江島潔参院議員、そして安倍首相の実弟・岸信夫衆院議員。インパクトの強いところでは14年、故・宮沢喜一元首相の甥、宮沢洋一氏の資金管理団体が“夜のお店”で「打ち合わせ」として2万円弱を支出していたことが発覚。

「これらは数万~数百万円単位の出所不明金や使途不明金などが指摘された例。よく“カネは適切に処理した”という言葉が使われますが、これくらいは帳簿の記載ミスということで後から“合法化”できるので、多くはお咎めなしなのです」(オンブズマン関係者)

 こうした小粒な不祥事が続く中、“合法化”に失敗して大ダメージを受けた大物もいる。14年9月、内閣改造で就任したばかりの小渕優子経済産業大臣(当時)の元秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われ、就任2か月足らずで大臣辞任に追い込まれたのだ。

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