一方で、先発医薬品とジェネリックのどちらを使うかを選択させてくれる医師は、信頼できるという。「多くの医師は製薬会社から、いかに新薬がいいかを刷り込まされ、それを使いたがる傾向にあります。ですから、選択させてくれるのは、いい医師でしょう」(岡田名誉教授)

 ちなみに、患者側から医師に対して、「この薬が欲しい」と要望すること自体は問題ないという。「そう言われて怒る医師は変えたほうがいい」(前同)

 また、川越氏はお薬手帳の重要さを次のように説く。「4月の調剤報酬改定により、手帳を持たないと負担が増えますし、何より、過去の患者さんの状況が分かるので、調剤してもらう時間が短縮できます。それに、私は検査データを手帳に貼るので、薬剤師からのアドバイスが受けやすいようになります」

 逆に言うと、実は薬剤師は、病名も知らずに処方しているケースもかなりあるというのだ。また、最近は、処方箋や薬局以外での医薬品購入も増えたが、前出の医療ジャーナリストは中国製医薬品に警鐘を鳴らす。「安全性の不安はもちろんですが、実は中国では医薬品の成分を公開する義務がないんです。そのため、“良く効く”と謳って、強すぎる薬を飲まされたり、副作用が隠されている可能性があります」

 さらに、このジャーナリストはこう続ける。「困っていることに対し、できることをすべてやるというのは立派なことですが、薬は別。副作用や体への中長期的な影響も考え、命に関わらない限りは慎重に服用してください」 身近で頼りになる薬だが、その“裏の顔”を決して忘れてはいけない。

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