天才漫才師と呼ばれた横山やすし師匠を30年ほど前に取材したことがある。自分が言いたいことを口にするヤンチャな性格——師匠にはそんな印象があったので、機嫌を損ねないよう気配りしていたのだが、そんな心配は少しもなく、それどころか逆にいろいろと気遣いしていただき、最後には「ウチで、メシでもどうや」と、ご自宅へ晩ご飯に招待されてしまった。

 取材しに行ってご飯に招待されたのは初めての経験だったので、招待の言葉を耳にしたとき、とても驚いたが、と同時にとても嬉しかった。

 結局、その日は横山宅で師匠と一緒に鍋をつつき、楽しいひと時を過ごした。意外といっては失礼だが、実は師匠は、遠方から訪ねてきた人にちゃんと気配りできる好人物だったのである。

 その日はご飯が終わると、東京行きの新幹線に間に合うように、すぐにおいとました。ボートレースファンだった師匠ともっとレース談義がしたかったのにと、残念に思いながら——。

●G2モーターボート大賞(ボートレース下関)
 今村豊(山口)をはじめ、三角哲男(東京)や服部幸男(静岡)など、長年にわたり艇界を賑わせてきたレジェンドたちが出走中。今村選手は現在55歳だが、地元の山口県での開催ということもあって人気を集めている。レジェンドたちには、やすし師匠が喜ぶような熱戦を大いに期待したい。

本日の新着記事を読む