96歳の現役タカラジェンヌも!? 知られざる宝塚の「定年退職」の画像
96歳の現役タカラジェンヌも!? 知られざる宝塚の「定年退職」の画像

 宝塚歌劇団は、未婚の女性だけで構成されているのはよく知られている。多くのタカラジェンヌは20~30代で卒業し、新たな人生を歩み出す。タカラジェンヌは若くして卒業するイメージが強いが、中には「ベテラン」として長く舞台を支える者もいる。実は宝塚には「定年退職制度」まで存在しているのだ。

 現在、宝塚の定年は満60歳の誕生日。6年目以降のタカラジェンヌは、個別のタレント契約を締結するため、その内容によっては定年を延長することもでき、松本悠里や轟悠など、劇団理事を兼任しているような場合には定年制度が適用されない。ちなみに、「白ばらのプリンス」と呼ばれた春日野八千代は、2012年に96歳で逝去するまで“生涯現役”を貫いている。

 こうしたベテランの存在は、宝塚の舞台に深みを与えている。そして、その位置づけもだんだん変わってくる。たとえば、在籍年が上になると、組全体をまとめる「組長」「副組長」という立場となり、管理職としての役割も果たす。また、芝居や歌、踊りなど特に秀でた才能を見出されれば、「専科」というポジションに異動。通常の5組に所属することなく、演出家の要望に応じて公演に特別出演する役割となる。老け役など、他のタカラジェンヌにはできない役を演じることが多い。

 宝塚の舞台を彩るのは、若いタカラジェンヌだけではない。年次を重ねたからこそ出せる魅力を持つベテランは、宝塚になくてはならない存在だ。

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