しかし、この程度の補強なら例年と何も変わらない。“ドン”からの勅命を受けた今オフは、それだけでは終わらぬウルトラCを用意しているというのだ。「日本人メジャー選手の獲得ですよ」

 メジャー担当記者がその筆頭に挙げるのは、巨人出身で現在レッドソックスに所属する上原浩治だ。「41歳と年齢的な問題はありますが、最近もクローザーとして2日連続でセーブを挙げるなど、まだまだ球のキレは落ちていません。何より、ワールドシリーズの胴上げ投手。メジャーの一流打者をも打ち取る投球術は健在です」(前同)

 ただ上原といえば、08年のシーズンが始まったばかりの4月に次季からのメジャー挑戦を表明。チームが一丸となって優勝を目指している中での発言だっただけに、巨人フロントは激怒した。それから両者の関係はわだかまりを残したままだったが、今季から高橋監督が就任したことで状況が一変したというのだ。「上原と高橋は、同い年で誕生日まで一緒。プライベートでのつきあいも深い。他にも、今年からヘッドコーチを務める村田真一は入団当初、伸び悩んでいた上原を救った恩人。かつての僚友の窮地に、上原がひと肌脱ぐことは十分に考えられますよ」(同)

 さらに驚く名前を挙げるのは、『夕刊フジ』で健筆を振るうスポーツライターの江尻良文氏だ。「イチローです。今年、メジャー3000本安打を達成した今が絶好の“売り時”。打線にも核ができるし、観客増も見込める。巨人にとっては最高の補強だと思います」

 ただ、イチローはマーリンズとの間で“終身雇用”が成立したという報道もあり、本人もメジャーに骨を埋める覚悟だといわれている。巨人移籍など夢物語のように聞こえるが、ある条件が満たされれば、可能性はゼロではないというのだ。「それは、2020年の東京五輪の日本代表の監督手形です。本人は50歳まで現役続行すると明言していますが、09年のWBC優勝時のイチローの喜びようからも分かるように、日本代表に対する想いは格別。それに、そこまでの待遇を用意されれば、イチローも首を縦に振る可能性はありますよ」(事情通)

 だが、日本代表監督の手形など、そう簡単に出せるものとは思えない。「ナベツネさんは、実質的なプロ野球界の最高権力者ですからね。かつて、“イチロー君ほど、知的な野球選手はいない”と最大級の賛辞を送っていた選手を獲得できるのであれば、それぐらいのことはやりかねないのでは」(前同) 渡邉前最高顧問の怒声が、巨人復活の狼煙(のろし)となるか!?

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