三重県のボートレース津で8月2日~7日にかけて、女子レーサーの大舞台「第30回G1レディースチャンピオン」が開催される。例年通り、平山智加(香川)や遠藤エミ(滋賀)、松本晶恵(群馬)ら、今をときめく女子の強豪選手が集結し、白熱した水上の闘いが繰り広げられる。

 昨年のボートレース丸亀で開かれた「第29回レディースチャンピオン」決勝戦では、伏兵の滝川真由子(長崎)が5コースのカドからまくり差しを決め、波乱を演出した。1周・第2ターンマークで中里優子に差され、2位に後退してしまい、この態勢のまま順位が決まるかと思えたが、ここからの滝川の粘りは凄かった。前を走る中里選手を追って女子ボート史上に残るデッドヒートを続け、2周・第2ターンマークで内に潜り込んでついに中里選手を振り切った。

 滝川は2008年にデビューし、初優勝は2013年2月ボートレース戸田で、2度目の優勝は2013年3月ボートレース鳴門で果たし、3度目の優勝が丸亀でのビッグタイトル。3回しか果たしていない優勝のうち2回が四国のレース場で、1回がG1優勝という珍しいケースだったのである。

 もちろん高配当だった。2連単は6440円、3連単に至っては3万3270円というかなりの配当となり、滝川に賭けたファンの喜びはいかばかりだったことか。さて、今夏の津での“女の闘い”は、いったいどんな奇想天外なドラマを見せてくれるのか。いまからとても楽しみだ。

 ところで、滝川選手の出身地は愛知県。2013年に結婚してから夫の所属する長崎支部に移ったのだが、優勝の美酒をもたらしてくれたのは鳴門や丸亀といった四国のレース場なんだなぁ……。と四国について、あれこれ想いを巡らせているうちに、ふとアタシは四国に行ったときのことを思い出した。そして、30年ほど前に利用した戦後初の国産旅客機「YS−11」の愛らしい姿が浮かんできたのだ。

 この飛行機はかつて、東京オリンピックの聖火を運んだ日本復興の象徴、日本国民の希望でもある旅客機。のちに、全日空が大阪―高知線にも就航する。YS−11は四国の飛行機でもあったのである。

 定員は60〜64席。天井には通路に沿って丸い蛍光灯が並び、トイレは水で流す方式ではなかった。どことなくアタシの好みの飛行機だったが、アタシは飛行機が今一つ信用できなかった。特に、YS−11のようなプロペラ機はどうしても信用できない。

 で、離陸してから着陸するまでずっと座席にしがみついていた。生来のビビリ、アー、情けない! それでも、無事に着陸した四国の街は訪問客を力づけるように、明るい陽光をふんだんに振りまいていた。あのときの陽光を思い出しながら、高配当を夢見て、今年のレディースチャンピオンに臨むことにしよう。

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