今でこそ“アカデミー俳優”として、ジャニーズ俳優のトップをひた走るV6岡田准一。岡田は、14歳で『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の「ジャニーズ予備校」で合格し、同年の1995年にV6としてデビューしてしまったため、下積み生活が実質ゼロである。グループ最年長の坂本昌行とは10歳の年齢差があり、他の5人と経験に差がありすぎて、当初はつらくて仕方がなかったという。
演じることも苦痛だったが、そんなとき転機となる作品に出会った。97年にTOKIO長瀬智也と初共演した連ドラ『D×D』(日本テレビ系)だ。岡田16歳、長瀬は18歳のときのことだ。長瀬から特になにかを教わったわけではないが、「リラックスしたほうがいいよ」と声をかけられ、長瀬の役づくりの姿勢を見せられた。
ドラマのエンディングの映像を撮影したとき、長瀬はハーレーダビッドソンに乗り、岡田はママチャリに乗って走っていた。岡田はサドルに腹を乗せ、ウルトラマンが空を飛ぶような姿勢で乗っていたのだが、転んで脳震とうを起こし、そのまま救急車で搬送されてしまった。後に岡田は「楽しくなってしまった」と語ったが、ちょっと悪乗りしてしまったようだ。
岡田の脳震とう事件はまだある。当時の岡田はダンススキルが低かったため、コンサート中に何度もミスを犯した。全員バック転ができるグループは当時のジャニーズではV6だけで、とにかく派手なアクロバットを披露していた。ある日のライブで、岡田が長野博とペアで動くシーンがあった。岡田が後転するときに、長野が岡田を飛び込み前転で越えるという見せ場でのことだ。長野が踏み込んだ瞬間、そのひざが岡田の後頭部にヒット。岡田は、脳震とうを起こしてフラフラだったが、気力と根性で踊りきったらしい。
舞台で華麗に舞い踊るジャニーズアイドルだが、その華やかな舞台の裏にはケガなどの苦労も絶えないようだ。