中国・習近平主席が描く「フィリピン買収」計画の画像
中国・習近平主席が描く「フィリピン買収」計画の画像

 崖っぷち――普通の神経の持ち主なら、そう思うのが当然だ。中国の国家主席・習近平氏が、国際社会から総スカンを食らったのだ。「南シナ海には、大量の海洋資源が埋まっています。習氏はそれが欲しくてたまらなく、海軍の演習にも力を入れ、一方的に“領有権”を主張してきたんですが、その横暴な姿勢はさすがに国際社会では通用しませんでした」

 とは、ベテランの政治記者。南シナ海の領有権をめぐって、2013年、フィリピンが中国を提訴していたが、その裁判がついに終わりを迎えたのだ。「7月12日、オランダのハーグにある『常設仲裁裁判所』は、“中国には同海域の島々に対する歴史的権利を主張する法的根拠はない”とする裁定を下したんです」(前同)

 控えめに見ても、これは、中国の単なる暴走。「ルールを守れ」「分をわきまえろ」と言われた格好だが、そんな批判はどこ吹く風。性懲りもなく、強引に過ぎるアプローチを今も繰り返しているのだ。「要は、フィリピンの頬を札束で叩き、“金やるから手を引け”と言い寄っているわけです」とは、外務省関連スタッフ。

 中国を提訴したときのフィリピン大統領は、反中のアキノ氏だったが、6月末に大統領に就任したロドリゴ・ドゥテルテ氏は、母方の祖母が華人の親中派。これがチャンスと見たのだろう。中国は前述の裁定案を無視し、フィリピン側に二国間協議を迫ったのだ。いわば裁判で負けたから、示談に持ち込もうという算段で、むろん投資という“お土産”つきなのは言うまでもない。「7月19日、フィリピンのヤサイ外相は“その話は断わった”と発表。加えて、ドゥテルテ大統領も、“ヤサイ外相を全面的に支持する”と話し、中国の要望をハネつける姿勢を見せてはいます」(前同)

 現状、ゴリゴリのタカ派外交を繰り広げているが、それも無理もない。「ドゥテルテ大統領は、“フィリピンのドナルド・トランプ”と言われてるんです」とは、マニラ支局駐在員。「フィリピンの実業家ピーター・リム氏と面会したときには、“お前を処刑する。お前を殺してやる”と面と向かって恫喝するコワモテ発言。他にも“犯罪者は射殺する”など、物議を醸す行状を繰り返しているんです」(前同)

 シンクタンク職員が「ですが……」と解説する。「フィリピンの経済成長がいま一つパッとしないのは、海外から投資を呼び込めていないからです」 続けて、「教育や医療の改善、農業の振興を掲げて大統領に就任したドゥテルテ氏ですが、これらはすべて金が必要なこと。今は、過激発言で注目されていますが、経済政策で結果を出せなければ、国民の反発は必至でしょう。そのタイミングで現ナマを差し出されたら、飛びつくしかない」 ドゥテルテ氏の弱みにつけ込む習近平氏。無限の富を生み出しうる南シナ海が中国の手に落ちるのは、時間の問題か……!?

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