A.B.C-Z塚田僚一が『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で披露したジャニーズらしくないキャラクターがウケたこともあり、グループの人気もジワジワ上がってきている。今では、明るく快活なイメージが定着した塚田だが、グループ結成時はかなり迷走していた。
自らのキャラにも迷い、最初にトライしたのは王子様キャラだ。他に、一切笑わず、謎のテーマ曲で降臨する闇のキャラクター「塚だぁくねす」や、筋骨隆々の女装キャラ「塚リカ」など、3年で3つのキャラクターを生み出した。最近でも、ライブなどではときどき登場するレアキャラだ。最近になってようやく塚田は、この暗黒期を笑えるようになったらしい。
苦労したのは塚田だけではない。A.B.C-Z自体も、2012年にジャニーズ初のDVDでデビューしたが、ジャニーズJr.での下積み時代は約13年半と長い。最年少の橋本良亮を除く、戸塚祥太、河合郁人、五関晃一、塚田の四人は、ともに下積み時代を過ごし、「エビキス」の愛称でひとくくりにされていたKis-My-Ft2に先を越され、後輩のHey!Say!JUMP、Sexy Zoneにも追い抜かれた。
Jr.時代にバックダンサーを務めた楽曲は、200曲以上。JUMPの後ろで踊ったときは、相当悔しい思いをしたことだろう。先の四人は、JUMPより年上。全員が平成生まれという後輩たちのデビューはテレビで知ったという。
河合は、そのJUMPの単独コンサートの前説を2年連続で務めている。後輩たちのファンを前に、「盛り上がってるか~!」と声を張りあげるのは、さぞかし複雑な心境だったに違いない。
格差を痛感したのは、ステージの上だけではない。A.B.C-Zのデビュー前年、2011年にデビューしたキスマイの弁当は、高級焼肉店のものだったのに対して、A.B.C-Zのメンバーには、おにぎり2個ということもあった。戸塚は、「これが現実だな」と感じていたという。
今ではそうした過去も、自虐ネタとして笑い飛ばせるようになり、ジャニーズ初の「NGなしアイドル」として活躍する彼らは、ついに念願の冠番組『ABChanZoo』(テレビ東京系)もスタートした。最近では歌番組の常連にもなりつつある。遅咲きのA.B.C-Zの猛攻は、まだまだこれからだ。