その数ある戦果だが、まずは、党都連が告示前、「親族を含め非推薦の候補を応援した場合は処分する」旨の文書を関係各所に送付したことへの反発だ。「それだけ都連や官邸が、小池氏とそのバックの存在に怯えている証し」(前出の事情通) これが、見事に逆効果になってしまった。

「都連に反発し、公然と区議バッジを胸に着けたまま小池氏をサポートしている自民党の区議もいました。また、池袋駅前の選挙事務所には、ある閣僚経験者の秘書も手伝いに。親族ではない秘書には、都連文書の効力が及ばないという解釈のようでした」(前出のベテラン記者)

 こうして、自民党は選挙を通じて、まさに“分裂”。「自民党執行部は前回の都知事選の際、所属国会議員(都連所属除く)に、都内在住支援者100人の名簿提出を呼びかけるように指令を出しました。ところが、これ以上圧力をかけると、より深刻な分裂を招くと考えた執行部は今回、ノルマを30人に引き下げていたのです」(前出の自民党関係者)

 “百合子の乱”で安倍自民の一部に亀裂が生じた。「来年、都議会選挙が行われます。小池氏は今回自分を応援した議員を糾合し、場合によってはミニ政党を旗揚げする可能性もあります」(鈴木氏)

 実は、これこそが小池氏や“小泉・石破連合”の真の狙いともいわれる。「都知事選では、名古屋市長の河村たかし氏が小池氏の応援演説をしました。小池氏が新党を立ち上げるようなことになれば、河村氏率いる減税日本、あるいは、おおさか維新の会との連携も視野に入ってくるでしょう。地方から中央政界へ影響を及ぼす、一大勢力となっていく可能性があります」(鈴木氏)

 一方、永田町では“大臣適齢期”ながら、あぶれている議員も多数。「“小池新党”が彼らの不満をたきつけ、安倍政権を揺さぶる可能性もありますよ」(ベテラン記者)

「小池の乱」の次章や、いかに。

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