関屋記念は、サマーマイルシリーズ第2戦。となると第1戦中京記念の好走馬をそのまま狙えばよいように思えるが、実際のところはそうでもない。

 中京記念がマイル戦になった12年以降、中京記念→関屋記念というローテを選んだ馬は7、9、6、6頭。うち馬券に絡んだ馬は1、0、2、1頭だ。いずれも出走グループ内で人気順1〜3番目の馬たちであり、配当妙味があるというほどではない。

 サンプル数が少ないものの、唯一良いパターンは中京記念から斤量減という形の馬。これまで3頭が該当しクラレントとレッドアリオンが優勝している。ただ、今年は条件に合う馬がいない見通しだ。

 そうなると別路線組を検討するしかないが、ポイントになるのは前走距離と脚質ではないかと思う。前走から距離短縮・同距離・距離延長と3つのグループに分けた場合、勝率・複勝率が最も高いのは距離短縮組。06年カンファーベストの14番人気1着が効いて、回収率でもこの組がトップとなっている。脚質的には、前に行ける馬を狙いたい。新潟外回りは直線が長いので差しタイプが良いと思われがちだが、ペースが流れないので「キレない差し馬」だとノーチャンスのままで終わってしまう危険がある。

 過去10年の3コーナー位置で見ると、3角3番手以内を取れていた馬は[5・3・3・24]で回収率は単112%、複119%。ここに入れればいいが、その後ろの4~5番手は[0・1・0・9]。前寄りから粘り込みを目指すのか、完全な決め手勝負を仕掛けるか(その場合、そもそも決め手がないとダメ)、どちらかはっきりさせたほうがよいレースだ。

 この原稿を書いている時点で「距離短縮+完全な先行タイプ」という想定馬はいないが、可能性のある馬として、エプソムC組の◎ラングレーを挙げておく。洛陽Sでは道中3番手から勝っているし、ここもメンバー次第では前に行く可能性はある。

 同じくらい魅力を感じるのが◯ヤングマンパワーだ。昨年の3着馬なのでコース適性は証明済みだし、ハナにこそいかないものの先行よりの脚質。前走で準オープンを勝ちオープンに復帰したばかりだが、その多摩川Sでは58キロを背負い、強い2、3着馬にハンデ差を与えたうえで勝った。G3ならば勝ってもおかしくない充実期にある。

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