第二中央道で渋滞撲滅!?「夢の交通インフラ」未来予想図の画像
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●リニアと新幹線が日本に行きわたる!? 技術の結晶「鉄道編」

 日本が世界に誇る高速鉄道網。1964年に開業して以降、我が国の産業と経済を支える「新幹線」は日本の技術の象徴だ。すでに米国への“輸出”も決まっており、2021年にはテキサス新幹線として開業予定。今後、このインフラ輸出は世界各地にさらに広がっていくはずだ。

 そして現在、国内で建設が進められている新高速鉄道が「リニア新幹線」。27年に品川-名古屋間が先行開業、45年には名古屋から大阪市までがつながって、全線開通となる。東京と大阪を最短67分で結ぶ夢の鉄道なのだが、「実は、リニア新幹線を西は福岡、北は仙台や札幌にまで延伸する案も一部では出ているんです。日本を縦断することで、人や物の移動が便利で、さらに活発になります」(経済誌記者)

 複数の条件を無視した仮定ではあるが、東京-大阪を67分で結ぶことをベースに考えれば、東京-福岡を2時間で結ぶことも可能。仙台-福岡は3時間を切るというから、飛行機も顔負けの高速移動が可能となる。

「リニアだけでなく通常の新幹線も順次、新規開業していき、列島のあらゆるところに気軽に行ける時代が来るかもしれないんです。その鍵を握るのが、2022年に暫定開業する予定の、“長崎新幹線”に導入されるフリーゲージトレインです」(経済誌記者)

 長崎新幹線(九州新幹線長崎ルート)とは、九州新幹線の新鳥栖駅から長崎駅までの約110キロを結ぶ新幹線。しかし、新鳥栖-武雄温泉の約45キロは長崎本線や佐世保線の在来線線路を利用する予定なのだ。

「新幹線は標準軌1435ミリ、在来線は狭軌1067ミリとレール幅が異なり、本来、それぞれの車両は、それぞれの線路上でしか走行できません。ところが、その両者を走行できるようにするのがフリーゲージトレインなんです」(前同)

 標準軌で建設され、それに適応した車両が使用される新幹線を「フル新幹線」や「整備新幹線」と呼び、北海道、東北、上越、北陸、東海道、山陽、九州の6路線が現在運行されている。実は山形新幹線と秋田新幹線は、これに当てはまらない。在来線の幅を大きく改軌して、在来線の車両をなるべく大きくした「限界両」を使っており、この方式を「ミニ新幹線」と呼ぶ。

「速度も、整備の時速240キロに対して、ミニは時速130キロしか出ません。もちろん、在来線よりは速いですし、乗り換えせずに現地まで辿り着けますから、利用者にとっては非常に便利。今後は、フリーゲージを利用したミニ新幹線の活用に期待が集まります」(鉄道ジャーナリスト)

 しかも、建設費の安さは特筆モノで、資材の値段や地理的要因にも影響されるが、「フル規格の20%前後にまで建設費を抑えられる」(前同)と言われる。整備新幹線は、日本海、山陰、四国など各地で「計画路線」化しているが、現在、開業・建設のメドが立っているのは、先に述べた長崎ルート、北陸の敦賀以降、北海道の新函館北斗-札幌の3つだけ。巨額の建設資金が計画推進を妨げているのだ。

 実は、かつて東京と成田空港を結ぶ成田新幹線も計画されていたのだが、住民の反対運動や先行投資だけで900億円という莫大な建設費が原因で、現在、その計画は失効してしまっている。「すでに敷設されている線路を走るミニ新幹線は、そうした問題が皆無。フリーゲージ技術の本格導入で、日本各地の計画路線が実現へと動き出すかもしれません」(同)

 しかし、関西-四国-大分を結ぶ四国新幹線だけは別。淡路島周辺や豊予海峡において長大な橋梁か海底トンネルが必要となり、それらの建設費は数兆円に上るとされているからだ。「費用対効果は大事ですが、この路線は日本の新国土軸となり、経済創生の点からも、災害リスクの点からも有益です。阪神・淡路大震災のように、山陽新幹線が被災した場合、関東・関西と九州の間の高速鉄道は寸断されることになりますから」(国土交通省職員)

 同じ災害リスクの観点から、具体的な計画こそされていないが、待望される路線がある。「南海トラフ地震や富士山の噴火を考慮して、関西・中京-関東・東北を結ぶ路線が必要になります。北陸新幹線の全線開業は当然のこととして、これらの路線は、ぜひ建設すべき」(前同)

 また、災害がなくとも、近いうちにパンクしかねないのが、北海道、東北、上越、北陸、秋田、山形新幹線が重複している大宮-東京間だ。「もともと上越新幹線は大宮から新宿に向かうはずでしたが、いまだに建設されずに東京駅に乗り入れています。東海道新幹線との乗り継ぎ利便性の問題もありますが、ここは何かしらの形で増線されるべき」(同)

 多くの路線が計画され、同時に、技術開発が無限の可能性を示す高速鉄道網。もしかしたら、あなたの家の周りにも大きな計画が持ち上がっているかも!?

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