芸能人もおびえる…過激化する「暴走ネットクレーマー」の呆れた生態の画像
芸能人もおびえる…過激化する「暴走ネットクレーマー」の呆れた生態の画像

「ニュース見てます?」「不謹慎です」。熊本地震発生直後、芸能人のSNSにはそんなコメントが溢れ返った。「藤原紀香の<火の国の神様、もうやめてください>とのブログは“自分に酔ってる”と大炎上。やがて、この一文は削除されました。500万超の募金額が書かれた振込用紙の写真をアップした紗栄子には“偽善”“売名”などの批判が殺到しました」(芸能記者) 被災者の井上晴美すら、「現地の状況をブログで発信したところ、“愚痴りたいのはお前だけではない”などの書き込みがなされ、更新をやめました」(前同)

 こうした状況について、「無力感が関係している」と語るのは、『ネット炎上の研究』(勁草書房)の共著者である国際大学グローバル・コミュニケーションセンターの山口真一助教。「一般の人ができることって、少額の寄付ぐらい。他方、芸能人は多額の寄付もできるし、ボランティアに行けば英雄扱いされるなど影響力を持っていますよね。これに対し、“不謹慎”“売名だ”などと叩くことで自身の無力感を解消しているのかもしれません」(前同)

 実は、こうしたネットクレーマーは意識が高すぎて暴走する側面もあるという。「炎上参加者は“ヒマで教養のない社会的弱者”というのが定説でしたが、2万人弱のアンケート調査を分析したところ、学歴は関係なく、子持ちの若い男性で、年収が高いほど炎上参加率は上昇。ネット右翼についての過去の研究でも、年収800万円以上のクラスの比率が高いという結果が得られています」(前同)

 さらに、決定的なのはネットに対する考え方だ。「“インターネット上なら強い口調で非難しあってもいい”と考える人、過去にネット上で嫌な思いをした人ほど炎上に積極的に参加している傾向です」(同) また、一日中ネットに張りついているのかと思えば、「ネット全体の利用時間は無関係。しかし、ソーシャルメディアを多く利用する人は炎上参加率が高いです。手の空いた2~3時間で集中的に荒らしているとすれば、ごく普通の社会人でも可能な行為です」(同)

 ただ、こうした人々はネットユーザーのごく一部。「ひと言書き込むだけの人はユーザーの0.5%にとどまり、直接当事者に攻撃するのは0.00X%。100人に1人以下の過激な人が書いているだけで、ネット世論というのは参加者が非常に少ないんです」(同)

 実際、タレントの平子理沙は、自身のブログ炎上について調査した結果を、こう報告して話題となった。<おなじIPアドレスで異常な数のコメントを書いてくる人が6名ほどいました。同じ人が、毎回名前を変え、あたかもたくさんの人から批判されている様に見せかけて、コメント欄に投稿している事が分かりました> こうした悪質な行為が罪に問われることはないのだろうか。弁護士の古川穣史氏は次のように語る。「“殺すぞ”といった内容であれば警察は脅迫として扱いますが、遠回しの表現だと動きづらい。内容自体が特段問題なければ、アカウントを変えて複数書き込んでも、罪に問うのは難しい可能性が高いでしょう」

 だが、そうした超少数の声に芸能人や企業がおびえているのが現状だ。「テレビ番組でも“世間の声”としてSNS上のコメントを紹介するのが最近の風潮。不倫騒動のベッキーやゲスの極み乙女。の川谷絵音、矢口真里に関しても、ネットで叩かれるからテレビに出しづらいというのもあるし、炎上に影響された人がテレビ局やCM企業にクレームの電話を入れ、局や企業が自粛するという展開も多い」(前出の記者)

 まさに、こうした弱腰な対応がネットクレーマーを増長させているが、「ネット炎上に関して、民事事件では名誉棄損などで多数の裁判が行われています。慰謝料はケースによりますが、100万円を超える場合も」(前出の古川氏) くれぐれも、加担することのなきよう――。

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