真夏の名物重賞、札幌記念は牝馬が強い。2014年にハープスター(3歳=当時、以下同)が強豪ゴールドシップを打ち負かして勝利し、12年にはフミノイマージン(6歳)が、07年にはフサイチパンドラ(4歳)が優勝。また、古くは1997年、98年に名牝エアグルーヴが連覇を果たしている。

 今回も、オークス馬のヌーヴォレコルト(5歳)が出走するが、1番人気は間違いなく、G1を4連勝した牡馬モーリスになるだろう。

 ところで、“夏は牝馬が強い”というのは競馬ファンの常識だが、人間だって、逆境に強いのは、男より女のほうだ。あれはアタシが30歳の頃。近所の雑貨屋でバターを購入したら、包装紙にコバエの死骸がついていた。これは絶対、返品してもらおうと、急いで店に持っていくと、店員に悪質な客だと思われ、冷たくあしらわれた。

 あまりの展開にぼう然としていると、突然、救世主が! 同行していたアタシのパートナーが怒りに震えながら、店員に歩み寄ると、なんとそれだけで「ハイ、分かりました。お代は返しますから」と相手の態度が一変した。

 その瞬間、脳に“女は強い”と刻まれた(アタシがだらしないともいえるのだが――)。そして、それ以来、女性を軽視してはいけないと肝に銘じるようになった。

 さて、今年の札幌記念だが、1番人気のモーリスは確かに強いが、夏の牝馬も怖い。ヌーヴォレコルトを軽視することのないよう、心がけよう。

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