口にするものといえば、タバコと並んでリスクが高いのが塩分のとり過ぎだ。「昨年出された国立がん研究センターのデータでは、明らかに青森、秋田、山形、新潟の各県男性の胃がん患者が多いという結果が出ているのです。これらの地域は寒いこともあり、食文化として保存のためや味つけで濃い塩分をとる。塩分は胃の保護バリアに穴を受け、発がん物質がもろに入って来るためと見られます」(牧氏) なお、日本人全体の塩分摂取量はまだ1日平均11グラムで、理想の8グラム(男性)をオーバーしている。薄味を心がけよう。

 強い電磁波ががんと関係するとの説が昔からある。「科学的にはっきり証明されたわけではありませんが、もし、それが事実なら、電磁波の強さは、距離が少しでも離れると大きく減ります。一番影響があるとすれば、直に体が接する電気毛布やカーペット。これらは避けたほうがいいかもしれないですね」(前同)

 夏場の風呂は「暑いから」と避けがちだが、「体温が上がると自己免疫が高まり、毎日、体内で発生する約5000個ともいわれる、がん細胞を撃退しやすくなります。お風呂に入らず、ほとんどシャワーですますと、体の奥まで十分に温まりません」(前出の医学専門誌記者)

 皮膚がんの大部分は紫外線が原因なのは、科学的にはっきりしている。日焼けしてダンディな中年を目指したいところだが、日焼けサロンの利用や日光浴はほどほどにしておきたい。浮気が発がんリスクを高めるといえば、これまた一見、意外だが、「我が国における原発性肝臓がんの約90%はウイルス感染。B型やC型の肝炎ウイルスは性交渉でも感染するからです」(岡田氏)と聞けば納得だろう。近頃、大流行の不倫は家庭や財産を失うだけではないのだ。

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