次は食生活について。「米は玄米、パンは茶色がかった全粒粉で作られたものがよい。白米や真っ白なパンは胚芽などの非常に栄養がある部分を取り除いているからです。ただ、白米自体もかなりの栄養があるので、無理して玄米にする必要はありません」(前同)

 肉をよく食べることでがんになりやすくなるのは、「脂肪分が多く、取り過ぎは太る原因となるから。それは他の動物の肉も同様。むしろ魚を食べてほしい。特に青魚にはDHAなどの健康にいい油が豊富ですから」(牧氏)

 それなのに、サンマの塩焼きがよくないのは、ほぼ、皮にこげめがあるから。「こげめが発がん物質なのです。ポテトを高温でフライにしたとき、表面に発生するアクリルアミドも発がん性があるので要注意」(岡田氏)

 このアクリルアミドは、フライドポテトだけでなくビスケットやクラッカー、シリアルにも多く含まれる。また、電子レンジでチンしたプラスチック容器の市販の弁当などは、熱せられた際、さまざまな化学物質が溶け出して食品に混ざる可能性がある。熱い飲み物や食べ物は冷ましてからといわれると、そんなことまで、と思われるかもしれないが、熱い物をとる習慣は食道がんのリスクを高める。

 絶対に忘れてならないのが野菜を十分にとること。「野菜や果物不足でリスクが20.8%増加する」(前同)とのデータがある。「以前から、野菜や果物に豊富に含まれるフラボノイドなどの抗酸化物質が発がんを抑えるからといわれますが、最近の研究でフラボノイドの一種、ルテオリンという物質に、その作用があることが分かってきました」(牧氏)

 このルテリオンは特にセロリ、ブロッコリー、ピーマン、パセリ、ニンジンに多く含まれているという。晩酌があまりお勧めできないのは、「アルコール自体が発がん要因になっているから。中でも肝臓がんの17%は飲み過ぎが原因とのデータもあります」(岡田氏)

 コーヒーをよく飲んでいると、がん予防に役立つ。「研究が進められていますが、コーヒーに含まれるカフェインなどが有効成分との仮説もあります」(医療関係者) 岡田氏は最後に、がんのリスク低減策について次のように話してくれた。「タバコを止めれば21%、塩分摂取を10グラム以下に抑えれば14%など、これまで述べたことを実践すれば8割は、がん予防できます」

 がんにならない生き方に、さっそく明日から挑戦だ

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