投打で天才ぶりを発揮する若侍が前半戦で163キロの速球を連発。さらに、後半戦では本塁打を量産して、ついに“鷹”を追い詰めた!
日本ハムの勢いが止まらない。一時は首位ソフトバンクに11.5ゲームもの差をつけられていたが、その差はいつの間にかなくなり、「優勝に一番近いチーム」と評されるまでに勝ち星を重ねている。
この“日ハム快進撃”の原動力となっているのは、なんと言っても“元祖・二刀流”の大谷翔平だろう。投手として8勝4敗1ホールド、防御率2.02(9月1日時点=以下同)という成績でチームに貢献しているが、後半戦に入ってからは、打者としての貢献度も高くなっている。
「261打数86安打で、打率は.330。規定打席には足りないものの、これは首位打者の角中(ロッテ)に匹敵するハイアベレージです」(スポーツ紙デスク)
打率だけではなく、長打率.617、出塁率.431、本塁打20という数字と合わせて考えれば、大谷が日ハムの中でも「絶対に外せない中心打者」であることが分かる。さらに、「チャンスにめっぽう強いんです。投打で、日ハムの20勝以上は大谷の手柄みたいなものですよ(笑)」(前同)
特に打者に専念している後半戦は、ホームランのピッチもぐんと上昇している。20本の本塁打のうち、9本は7月25日以降に飛び出したものだ。
「6月は投手として月間MVPに輝いた大谷が、8月は打者として月間MVPの候補に選ばれました。1シーズンの間に投打で月間MVPなんて、漫画の中の話みたいですよね」(同)
これほどまでに高いレベルで二刀流を実践する大谷の活躍を、野球評論家の里崎智也氏も絶賛する。「大谷は、投手と打者の両方で優れた能力を持っています。一つに絞れなどと言う人もいますが、できる能力を生かさないのはもったいない。プロ野球界で、これまでに誰もやったことのない新しいことに、大谷はチャレンジしているんです。どんなジャンルでも、彼のような先駆者が時代を変えるんですよ」