「“はぐれ”には気をつけろ」 猟師のあいだでは、世界中で常識となっている言葉である。はぐれ熊、はぐれ狼、はぐれ虎……。性格が悪いために仲間から追い出され、はぐれて一匹で暮らす奴は、腹をすかせていて何をするか分からないから気をつけろという意味だ。
今年、この言葉を思い出させるレースがあった。5月15日(日)の京都最終レース(15頭立て)。名前の最後が「ー」(音引き)という馬が8頭出走し、うち3頭が2、3、4番にまとまって入っていた。
2番レディー
3番ダノンマッキンレー
4番ブラッククローバー
さらには4頭が10、11、12、13番にまとまって入っていた。
10番カレンステイシー
11番ワンダフルラスター
12番ゴースルー
13番ナムラアッパーこ
これらのグループからはじき出され、はぐれ状態になっていたのが、7番アドマイヤクーガー。13番人気、単勝オッズ115・6倍というまるっきりの人気薄。
ところが、21連敗中のこの馬が、シンガリから上がり32秒6という脚を使って3着に追い込んできたのである。そのため、1番人気が勝ったのに、3連単は16万2170円という大荒れ。まさに“はぐれ”には気をつけろだった。
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