また、先場所、前頭10枚目で12勝して優勝争いに加わり、敢闘賞を受賞した貴ノ岩(26)も、注目力士の一人。秋場所では東前頭3枚目まで番付を上げ、貴乃花部屋の出世頭となった。

「モンゴル出身の彼は、8歳で母を亡くした苦労人。師匠譲りのけいこ熱心さが実を結び、地力がついてきたので、秋場所で初対戦する横綱・大関陣にひと泡吹かせるかもしれませんよ」(専門誌記者)

 そんな貴ノ岩の師匠・貴乃花親方は、実は現役時代、秋場所にめっぽう強かった。1994年から98年までの5連覇(うち全勝3回)を含め、22回の優勝のうち6度を秋場所で飾っているという“秋場所男”だったのだ。

 そして、平成の大横綱が最後の輝きを放ったのも、やはり秋場所だった。01年の夏場所で右膝半月板を損傷しながら鬼の形相で優勝し、当時の小泉純一郎首相の「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した!」という名言を引き出した貴乃花だが、その代償は大きく、そこから7場所全休。進退をかけて出場した02年秋場所の9日目に、当時“昇り竜”であった新大関・朝青龍と激突した。

「かつて自身が、千代の富士を破って引退へと導いた相撲を彷彿させるシチュエーションでしたが、この取り組みではバチバチの突っ張り合いの末、貴乃花が上手投げで勝利。しかし、ともに土俵下に転げ落ちた際、膝の故障が悪化し、翌11月場所を全休。明けた初場所で引退し、日本人横綱は途絶えたんです」(前同)

 つわもの栄枯盛衰、多くの兵たちが台頭しては去って行った土俵の上で、この秋場所は、どんな名勝負が繰り広げられることだろうか。

 それでは、これにて。制限時間いっぱいです!

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