ウォーキングは日本人向き? 健康のためには「走るより歩け」!の画像
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 ジョギングよりウォーキングのほうが日本人の体にいいというが本当か。オリンピックでの結果が証拠というが……

 リオデジャネイロ五輪の男子50キロ競歩で、昨年の世界選手権で同種目4位だった荒井広宙(28=自衛隊)が、3時間41分24秒のタイムで銅メダルを獲得した。一方、男子マラソンでは、佐々木悟(30=旭化成)の16位が精いっぱい。かつて“マラソンニッポン”と呼ばれた我が国だが、ここ数年、こと男子においては競歩のほうが強化に成功していると言えそうだ。

 それにしても「競歩」という耳慣れない種目だが、ただ歩いているだけかと思いきや、大違い。大まかに言うと、競歩の基本的ルールは以下の2つ。

(1)常に、どちらかの脚が地面に接していること

(2)前足は接地の瞬間から、一度地面と垂直になるまで膝を曲げないこと

 試しに、この歩き方で数メートルを歩いてみると、非常に歩きづらい。この歩き方で“なるべく速く”“50キロもの長距離”を歩くのは、至難の業だということが分かるだろう。

「そのため、競歩のトップ選手は上半身や体幹の筋肉も鍛えられ、非常に引き締まった体をしています。つまり、ひと言に“歩く”と言っても、歩き方によっては、走るのと同様の運動効果があるということですね」(健康専門誌記者)

 つまり、頑張って走るよりも“上手に歩く”ことで、無理せず健康増進が可能ということなのか? 米国立がん研究所などの調査でも、運動を週に5日以上行っている人は、ほとんど行わない人に比べ、がん全体の発症リスクが7%低くなることが判明しており、やはり適度な運動は健康のために不可欠と言えるだろう。

 競歩のようなハードな歩き方はせずとも、より実践しやすい方法で取り入れることができるなら、願ったり叶ったりだ。さっそく、どのような歩き方がいいのか、調査してみた。

 まず、特に日頃から運動していない中高年にとっては、心拍数の観点からも“走る”より“歩く”ほうがいいのだという。皆さんも覚えがあるかもしれないが「今日からジョギング始めました!」という人が犯しがちな失敗は、いきなり無理をして、きつい思いをした結果、習慣化せず終わってしまうこと。

「4月4日放送のバラエティ番組『しくじり先生俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)では、お笑い芸人の松村邦洋が2009年の東京マラソンに練習不足にもかかわらず出場し、コース途中で急性心筋梗塞で倒れ、心肺停止となり、生死をさまよった経験を激白しています。極端な例ではありますが、このように慣れない人が急激な運動をすると、ときには生死にも関わる事態になることもあります」(前同)

 マラソン競技などを見ていると、よく脱水症状などで失速する選手がいる。日頃から鍛えている選手でもそうなのだから、運動不足の一般人が水分や栄養を十分に補給せず、いきなりハードに走るのは、自殺行為と言っても過言ではない。

「脱水症状は発汗によって起きますが、こうした激しい発汗を繰り返すと、腎臓や肝臓にも負担がかかります。数値が高い方や持病のある方などは、特に避けたほうがいいでしょう」(同)

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