安倍晋三VS小泉進次郎、東京五輪を巡る「1500日戦争」勃発!の画像
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 苦い過去を乗り越え太平の世を築かんとする大将軍に、いつか斬り込まんと槍を磨く若き武者。決着の行方は!?

 4年後の東京五輪まで、およそ1500日。名誉ある開催国の首相を誰が務めているのか。永田町では早くも、“政局”絡みの動きが勃発しようとしている。

 口火を切ったのは、自民党の二階俊博幹事長。安倍晋三首相の自民党総裁の任期延長に繰り返し言及しているからだ。安倍首相の総裁任期は2018年9月までで、党内には連続3選を禁止する規定がある。ところが、二階氏は、党の政治制度改革実行本部で「総裁任期3期9年」へ向けた議論を今秋から始め、来年初めの党大会で正式決定する方針を示唆している。

「規定が改正され、次回の総裁選で安倍さんが3選となれば、東京五輪の際の“日本の顔”は安倍首相になります。しかも、9年という異例の長期政権となり、永田町では、“安倍さんは(徳川)家康になるつもりか”という皮肉も聞こえきているのです」(自民党関係者)

 ご存じの通り、家康は“徳川300年”に及ぶ長期政権の礎を築いた武将。

「安倍さんは五輪後、大のお気に入りの稲田朋美防衛相らのシンパに“二代将軍”の座を譲り渡し、“大御所”として、自身の天下を永続させるつもりなのでしょう」(前同)

 この動きに噛みついたのが、自民党の石破茂前地方創生担当相と小泉進次郎農林部会長の2人。石破氏はラジオ番組で、「(総裁任期が切れる)2年先のことなんて誰にも分からない。なぜ今なのか」と述べ、進次郎氏は東京都内の講演会で、「率直に言って、なぜ今なのか分からない。急いで議論すべきことがそれか」と、怒りを滲ませた。特に進次郎氏は、NHK大河ドラマ『真田丸』の主役・真田信繁に見立てられ、永田町では「“家康”安倍首相を最も恐れさせているのが、“信繁”進次郎……」(前出の自民党関係者)と言われているという。確かに、真田信繁は大坂夏の陣で一時、家康に切腹を覚悟させたと伝わっている。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が、こう続ける。

「岸田文雄外相と石破氏のように“ポスト安倍”を狙う者にとって、総裁任期の延長は、自分たちの出番がなくなるという危機感を抱かせるもの。また、進次郎氏らの世代からすると、9年間もの長期政権が続いたら、世代交代はいつ実現するのか、という不満を抱えることになります」

 そこで“ポスト安倍”を狙う勢力と進次郎氏らの若手が「安倍3選」に猛反対し、それが政局につながるという読みが現実視されているというのだ。鈴木氏は話す。

「進次郎氏は石破氏と連合する可能性が高いです」

 進次郎氏は、前々回の12年9月の総裁選で、安倍首相サイドの熱望を振り払って石破氏に投票している。一方、幹事長時代に、石破氏は新聞のインタビューで、「進次郎氏をいつかは自民党総裁に……」と発言。進次郎氏の復興政務官起用を決めたのも石破氏だった。結果、進次郎氏は、東日本大震災の復興を自身の政治テーマに掲げるようになる。

「この2人には、いくつか共通点もあります。人気者の彼らは選挙の際に引っ張りだこ。ただし、選挙応援に出向くのは自民党が苦戦している選挙区です。だからこそ両者は、自民党がなぜ嫌われているのか肌で感じ取っているのです」(前出の鈴木氏)

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