ゆま「病は気から、とはいいますが……」

風間「これは本当ですよ。よく“嘘でしょ?”と言われるけど、丹田に力を入れて気合いを出せば、大抵は治ります」

ゆま「丹田、おへその下の部分ですよね」

風間「そうです。昔、お腹がキューと痛むときがあったんです。仕事も忙しかったときだったので、病院には行かずに丹田に力をギュッと入れたんです。じゃあ、お腹の中でブチッと音が鳴ったような感じがして、痛みが収まったんですよ」

ゆま「えっ、だ、大丈夫ですか?」

風間「大丈夫でしたよ。それで後々お医者さんにかかったら、“風間さん、膵炎が治った跡があります”と言われて。丹田に気合い入れたことで、膵炎を自分で治していたんですね(笑)」

ゆま「もう、すごすぎ(笑)。男らしいといえば、風間さんはご両親が出て行ったことに関して、おじいちゃんやおばあちゃんには何も聞かなかったんですね」

風間「まあ、それはですね。言えばおじいちゃんやおばあちゃんを困らせてしまう、と子どもながらに感じていたんでしょうね」

ゆま「風間さんの話を聞いていると“貧乏なことはしょうがない、前向きに生きていこう”そんなことを教えてもらえるんです」

風間「ありがとうございます。今回、本としてまとめるため振り返る中で、“こんなこともあったなぁ”と次々と思い出がよみがえってきて、それはそれで楽しかったです」

ゆま「風間さんらしい貧乏エピソードでは、バレンタインデーも面白かったです。やっぱり当時からモテモテだったんですね」

風間「いやあ、そんなことはないけど、バレンタインデーは本当にありがたかった。家に甘い物なんてなかったので、貰ったチョコレートを365日分に分割して、毎日、糖分摂取させてもらっていました。ただ一度、後輩の女の子たちが僕の家にチョコを渡しにきてくれたことがあったんです。ところが僕の家があまりにもお粗末だったため、外で女の子たちが“先輩がこんな汚い家に住んでいるわけないよ!”と言って、帰っていったことがありましたね(笑)」

ゆま「アハハ。そんな風間さんが、後にファッション誌のモデルさんになって、役者としてもデビュー。まさにサクセスストーリーとなるわけですが、その辺の話を次回、たっぷり聞かせてもらいましょう」(次週につづく)

風間トオル かざま・とおる
1962年神奈川県生まれ。東京デザイン専門学校卒業。『Fine』『メンズノンノ』などのモデルを経て、89年ドラマ『ハートに火をつけて!』で俳優デビュー。映画『わが愛の譜 滝廉太郎物語』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を獲得。

麻美ゆま あさみ・ゆま
1987年生まれ、群馬県出身。 2005年デビューし、ブレイクを果たす。セクシーユニット『恵比寿マスカッツ』のメンバーとしても活躍。現在はタレントとして活動。最新CD『Re Start~明日へ~』が発売中。

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