8月24日、広島にマジック20が点灯。これを受けて翌25日には、広島の街のあちこちにマジックナンバーを知らせるパネルが設置された。JR広島駅、広島銀行本店、福屋(百貨店)、広島テレビ前……。街を歩くだけで、パネルが目に入り、優勝マジックは一目瞭然。広島市民は、それだけカープの優勝を今か今かと待ちわびているのだ。この数字は、あっという間に0に近づいていった

「なにしろ25年ぶりですからね。本当にうれしい。広島の人はみんな、そういう気持ちでしょう。120万市民の全員が、カープの監督みたいなもんですから」 広島市在住のカープファン・吉長清治さん(35・会社員)は相好を崩す。

 関西大学の宮本勝浩名誉教授が9月7日に発表したデータによれば、今年の広島カープ優勝による経済効果は、地元・広島県だけで約331億4916万円にも上るという。名古屋、福岡、仙台、札幌など、本拠地の「地元」に熱心なファンを抱える球団は多いが、その中でも広島ファンは特に熱狂的だ。その理由は、いったい何なのだろうか。

「もともと、広島カープは親会社を持たない市民球団として設立された経緯がありますからね。地元の人々は、一人一人がみんな、カープのオーナーのような気持ちでチームを支え、応援し続けてきました。Jリーグの掲げる地域密着の理念を、とっくの昔から実現しているのがカープ球団なんです」(スポーツ紙デスク)

 そんな日本一のファンが四半世紀もの間、待ち望んでいたのが“優勝”という果実。こうしたファンたちの熱い声援が、カープ優勝への最大の原動力だったのかもしれない。

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