ゆま「はい。これから心がけていきます。話が戻りますけど、ドラマに出られるまでは、俳優という仕事にもまったく興味がなかったんですか?」

風間「そうですねー。ただ、今から思うと幼少期、僕のおばあちゃんがパチンコ好きだったので、よくパチンコ店に連れていかれていたんですね。そのとき、僕は暇なんで、店の前に貼ってあった映画のポスターをずっと見ていたんです。だいたい、任俠映画のポスターで、高倉健さんが出ていたのかな。それで、そのポスターを見て、“こんな格好いい大人になりたいなあ”と思ったことは覚えています」

ゆま「じゃあ、心のどこかで憧れはあったんですね」

風間「たぶん。ただ、本当の意味で役者の仕事が面白いと感じたのは、映画『大誘拐』(1991年)に出演させてもらったときですね。1か月間ほどロケをしたんですが、他の俳優さんや現場のスタッフさんとともに時間を過ごす中で、“ものを作り上げていく”楽しみを知ったんです」

ゆま「映画いいですね。夜、俳優さん同士で演技論になったりするんですか?」

風間「いや、そういうことはまったくなかったですね。皆さん、強い個性を持っておられる方々で、演技に関しては、それぞれの考えがありますからね」

ゆま「羨ましいです」

風間「なんか真面目な話ばかりしてるけど、これで大丈夫なんですか?」

ゆま「大丈夫ですよ。でも、じゃあ、風間さんの知られざる部分も聞いていいですか。セクシー系のビデオとかも見たことあったりしますか……?」

風間「そりゃ、見たことがありますよ。学生の頃は友達が持っていたのを見せてもらったなあ(笑)」

ゆま「やっぱり見るんだ~」

風間「あと、地元にセクシー系の映画館がありましたね。もちろん、当時は貧しかったので入館するお金もなかったんですけど、その映画館に親戚のおばちゃんが働いていたんです。で、こっそりと入れてもらって(笑)。今でも覚えていますよ。『団地妻』っぽい内容でした」

ゆま「おお、人妻もの(笑)」

風間「まあ、昔の話ですけどね(笑)」

ゆま「風間さんにもそういう過去があったなんて、なんだかホッとします。風間さんの本もそうなんですけど、壮絶な過去をお持ちなのに、それを“苦”に思わせないどころか、面白エピソードにしちゃうところがステキだし、強い方なんだなぁと思います」

風間「マイペースなだけですよ(笑)。ただ、本を読んでくれた方から“貧乏でも楽しいんですね”とか“人生観が変わりました”という感想をいただけるのが何よりうれしいです」

ゆま「私もたくさん勇気をもらいました。今日は本当にありがとうございました!」

風間「こちらこそ、ありがとうございました!」

風間トオル かざま・とおる
1962年神奈川県生まれ。東京デザイン専門学校卒業。『Fine』『メンズノンノ』などのモデルを経て、89年ドラマ『ハートに火をつけて!』で俳優デビュー。映画『わが愛の譜 滝廉太郎物語』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を獲得。

麻美ゆま あさみ・ゆま
1987年生まれ、群馬県出身。 2005年デビューし、ブレイクを果たす。セクシーユニット『恵比寿マスカッツ』のメンバーとしても活躍。現在はタレントとして活動。最新CD『Re Start~明日へ~』が発売中。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2