これらの食べ合わせは、せいぜい栄養の吸収ができなくなって「もったいない」という程度で、特に健康を害するようなものではない。しかし、これから挙げるのは、長期的に過剰摂取すると本当に病気になる可能性のある食べ合わせだ。

(12)ビールと揚げ物
 ビールとフライドポテト、唐揚げなどは、居酒屋などでよく見る、ごく普通の組み合わせだが……。「ビールをはじめ、アルコールは肝臓で分解される際に、脂肪の合成を促進させる酵素を発生させます。また、同時にアセトアルデヒドという物質も生まれ、この毒性で肝機能が低下。これで脂っぽい食事が続くと、高確率で脂肪肝となってしまいます」(前出の牧氏)

 また、秋の味覚の代表である(13)サンマと漬物にも要注意。サンマに含まれるジメチルアミンという物質と、漬物に含まれる亜硝酸塩が結合すると、微量ながらニトロソアミンという発がん物質が生成されるのだ。「サンマに限らず、すべての魚にジメチルアミンは含まれます。一方、亜硝酸塩は長期間、色を鮮やかに見せる食品添加物の代表的なもので、肉やハムなどにも多く含まれています。真っ赤な色の明太子も危ないですよ」(生田氏)

 というわけで、(14)タラコとソーセージなどの組み合わせも注意したい。この場合、タラコにもジメチルアミンだけでなく亜硝酸塩が含まれていて、ソーセージの分とダブル効果でニトロソアミンがより多量に作られる可能性もあるからだ。対策としては、一緒に野菜も食べること。野菜に含まれるビタミンCの抗酸化作用が、ニトロソアミンの発生を抑えてくれるという

 さて、最後は(15)銀杏と酒だ。銀杏といえば塩で炒ったり、串焼き、茶碗蒸しの具材などにも活躍する、まさに秋のつまみの代表格。「しかし、飲酒の際についつい食べ過ぎると、銀杏に含まれるメチルピリドキシンという物質が中毒を引き起こすことがあるんです」(前同)

 最悪の場合、腹痛、嘔吐、下痢に止まらず、呼吸困難、意識喪失を引き起こすこともあるため、「食べるのは1日10粒未満が望ましいでしょう」(同)という。あまり気にしすぎても食事がまずくなるが、なんといっても健康は第一。栄養のバランスや食べる量には気をつけつつ、秋の味覚を堪能したいものだ。

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