過去10年のオールカマーで、出走全馬の単複を均等買いすると、回収率は単54%・複57%。標準的な値の75~80%よりかなり低く、それだけ堅く収まるレースであることを示している。人気順ベースで見ても、7番人気以下の連対は10年で1回しかなく、10番人気以下の3着も1回しかない。

 中山芝2200メートルは、展開次第で紛れもあるコースだが、このレースについてはそうではないようだ。堅く収まってきた原因のひとつは、前走G1組の強さだ。G1からということは休み明けになるが、それでも格上が走っている。過去10年の前走G1組は[5・5・2・9]。半分以上が馬券に絡んでいて、回収率は単118%・複120%とかなり高い。全体の回収率が低いぶん、その落差はかなりのものとなる。

 問題は前走のG1でどのくらいの結果を出してきたかだ。前走G1を10着以下からオールカマーで連対した馬も2頭いるが、ここでの人気は6、7番人気。オールカマーにしては貴重な中穴だが、頑張って狙いにいくほどの配当妙味もないように思える。

 それより注目したいのは、「G1で掲示板に載ってきた馬」の堅調ぶりだ。前走G15着以内からここへ来た馬は過去10年[4・3・2・2]。言うまでもなく回収率は単複ともに大幅プラス。馬券に絡めなかった2頭は当時3歳だったサンツェッペリンと、1年以上の休み明けだったエイシンデピュティ。つまり、ごく普通の状況でG1を好走してきた馬なら、かなり堅いということだ。

 ◎はマリアライト。ここで前走G1組というと○ゴールドアクターもいるが、敢えてマリアライトを優先してみたい。理由のひとつは単純に前走着順で、宝塚記念を勝ってきた点を評価するというもの。もうひとつは、馬が以前よりしっかりしていて、昨年(5着)より上積みがありそうということだ。

 もちろんゴールドアクターもかなり有力で、この2頭がともに馬券に絡む可能性は高い。ただもし人気を裏切る可能性があるとしたら、休養期間が長く、前走で大敗しているゴールドアクターのほうかとも思う。

 ヒモも前走G1組と、重賞実績が豊富な馬たちを中心に選んだ。ただ▲クリールカイザーだけは、近走内容を無視して、昨年の同コース好走歴(AJC杯)を重視している。

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