牡馬クラシック三冠目の菊花賞が近づいてきた。今週の日曜日は阪神競馬場でそのトライアル、神戸新聞杯が行われる。春の2冠は皐月賞がディーマジェスティ、2、3着がマカヒキ、サトノダイヤモンド。ダービーはマカヒキが勝ち、ハナ差でサトノダイヤモンド。3着がディーマジェスティだった。つまり着順は変わったが、上位3頭はそっくり同じ。

 ハイレベルとされた今年の3歳牡馬だが、その中でも能力が傑出した3頭だった。神戸新聞杯はその3頭の中からサトノダイヤモンドが出走する。“サトノ”勢にとってG1制覇は悲願であり、本番の菊花賞が最大目標であるのは間違いないが、トライアルの仕上げも不満を残すものではない。3週続けて7F追いを敢行したダービーはピークの仕上げ。攻め込んで体を作ったが、秋は競走馬としてひと皮むけてきた。

 春よりも断然、馬が垢抜けてきたし、意識的に攻め込む必要がない状態。調教が進むと馬自身に気迫が加わるあたりは競走馬としての完成度も違ってきたように思う。3頭併せで追った2週前追い切りは、確かにまだ重さが残ったが、あと2本追える時間的な余裕を考えれば問題ない範囲。距離も外回り阪神の2400メートルなら好発進を切る確率は相当に高いだろう。

 春の2冠からエアスピネルも出走する。皐月賞、ダービーはともに4着に終わったが、掲示板を外さなかったのだから同馬の能力もかなり高い。仕上げやすいタイプであり、いきなり好戦が可能だろう。

 サトノの相手本線には夏以降、力をつけてきた上がり馬を狙いたい。絞り込めば候補に挙がるのは2頭だ。まずはナムラシングン。皐月賞は不利もあって7着に終わったが、その後に休養。復帰戦が8月の小倉だったが、古馬相手に2馬身半差の大楽勝。自身は上がり1000メートルすべて11秒台のラップで走り、それでいて1Fからの切れは抜群だった。叩いた上積みを加味すれば非常に不気味。

 カフジプリンスも怖い。夏場に3勝を上積み。前走のオープン特別6着は勝負所でさばき遅れて脚を余したが、長丁場は大得意。巻き返しは必至とみる。

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