――そんな父親ですが、農業のかたわら、地ビール造りにも挑戦。そして、自分が作ったビールのうち、良くできたと思った一本だけを、娘のために残しておく……というくだりにはグッとくるものがありました。

石野:やっぱり、なんだかんだ言ってもお父さんなんですよね。だから、娘が同棲している男性を実家に連れて来たというのには、驚いたと思いますよ。

――お父さんの心情は考えるだけでソワソワしちゃいますね。

石野:でも、実はその男性が同性愛者だったというオチで、そこでまたビックリするんですけどね(笑)。

――娘のマキ役の川口春奈さんとの息もピッタリでしたが、初共演ですか?

石野:そうなんです。

――川口さんはどんな方でした?

石野:とても感受性豊かな方で、一方でストレートな部分もある。スゴく素敵な方でした。撮影期間はホントに短くて、私は1日で終わってしまったんですけど、すごく濃い1日でした。

――わずか1日で、ああいった家族の空気感を出すのは難しかったのでは?

石野:今、思えばそうなんですよ(笑)。でも、その部分ではそんなに苦労はしなかったですね。実際にロケ地に入って、俳優を含めてスタッフ一丸となると抵抗なく自然と入り込めるんだなと思いました。

――スクリーンで観ていると、石野さんと川口さんは本当の親子みたいな空気感でしたよ!

石野:撮影のときも、“映画を撮っている”という意識がなかったんです。それぐらい、自然でいられました。

――つまり、石野さんご自身が、肩にムダな力を入れていなかったということで、その感じが伝わってきたんでしょうね。

石野:川口さんと餃子を作るシーンがあるんですけど、特にその部分は印象に残っていますね。

――実際、観ている側にとって最も親子に見えた瞬間だったと思います。ちなみに、プライベートでは餃子を作ったりしますか?

石野:さすがに餃子の皮からは作りませんが、作ることはありますよ。あんを包むのは得意なんです。

――では、得意な料理は?

石野:餃子! と言いたい場面ですけどね(笑)。私、こう見えていろいろと料理をやるほうなんですよ。具体的にコレというのは思いつかないくらいなんです。

――そういえば、先ほども話に出た地ビールをみんなで飲むシーンなんですが、みんなで同時に口に含んだ瞬間、一斉に噴き出してしまったじゃないですか。

石野:娘のために用意した地ビールが、寝かせすぎてしまって、実はおいしくなかったという場面ですよね。噴き出すの、意外と難しかったんですよ(苦笑)。でも、川口さんはとても上手でした(笑)。

――意外なウラ話ですね! ところで、石野さんの出演シーンは、千葉県の鋸南町で撮影されたと伺っています。緑が一面に広がる自然豊かな場所でした。

石野:ああいう、きれいな空気の中でいられることは幸せですよね。

――そういえば以前、あるインタビューで「緑の見える所で愛するパートナーと一緒にお茶を飲みながら生きて行くのが理想」とお話しされていました。

石野:そうでしたっけ? 忘れちゃいました(笑)。

――では、石野さんの理想のパートナーというと、どのような方なのでしょう?

石野:う~ん、すぐには思い浮かばないですね……。ピンと来ないといいますか(苦笑)。

――では、理想の家族像はありますか?

石野:やっぱり言いたいことを言い合えて、ケンカもしつつ、お互いを尊重できる……そんな家族って素敵だなって思いますね。

――でも、今はお仕事が一番ですか?

石野:ハハハハハ、そうかもしれません(笑)。

――そんな石野さんにとって、一人の女性としての目標はあるんですか?

石野:フワッとしてる部分がありますけど、強さと優しさを兼ね備えた女性になれたらいいなぁとは思っていますね。

――お仕事の面では?

石野:女優業を多くするとか歌手のお仕事に比重を置く……といったことに、これまでもあまり考えずにやってきたんですね。“来るもの拒まず!”って感じで。だから、これからも「いやあ、がんばりまっす。」の気持ちでやっていきたいと思いますので応援よろしくお願いしますね(笑)。

「100万ドルの微笑」というキャッチコピーで芸能界デビューを果たした石野さん。インタビュー中に見せた微笑の魅力は今も健在。本誌取材スタッフも、仕事を忘れてほっこりと癒された時間でした!

石野真子 いしの・まこ
1961年1月31日、兵庫県生まれ。T156。A型。1977年『スター誕生!』に合格し、翌78年『狼なんか怖くない』で歌手デビュー。その年の各音楽祭の新人賞を総なめにする。83年より女優としての活動を本格的に開始。今年だけでも、ドラマ『お迎えデス。』(日本テレビ系)、『女たちの特捜最前線』(テレビ朝日系)に出演。12月には舞台『ナイスガイinニューヨーク』を控えている。

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