豪栄道だけじゃない!「将来の日本人横綱」大予測!!の画像
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 あと一歩のところまでは行くけれど最高位にはなかなかたどり着かない和製力士たち。だが少し待ってくれ。眠れる獅子は近く、必ず覚醒する!

 横綱・白鵬の約10年ぶりの全休で、稀に見る大混戦となった大相撲9月場所。「鬼の居ぬ間」ならぬ「白鵬の居ぬ間」とばかりに、綱取りに挑んだ大関・稀勢の里(30)は、その白鵬本人から、「このチャンスをものにしてほしいね」とエールを送られたものの、序盤で2敗する波乱の展開となり、11日目に大関・豪栄道(32)に3敗目を喫して今場所後の綱取りは絶望的になった。

 3横綱、1大関をモンゴル人力士が占める中、日本人横綱の誕生は大相撲ファンの悲願である。モンゴル勢に対抗できる日本人の横綱候補は、誰かいないのか。「9月場所は、いつもと少し違いましたね。白鵬がいなかったせいもありますが、モンゴル勢との差は確実に縮まっています。横綱の可能性を秘めている日本人力士も、まだまだいますよ」(相撲専門誌記者) その筆頭が豪栄道。4度目のカド番から見事に復活し、全勝で優勝。綱取りに名乗りを上げた。

「初日から連勝を重ねて、一気に秋場所の主役に躍り出ましたね。9月場所の豪栄道は攻めが速く、相撲に迷いがなくなった。ここ一番の瞬発力は持っているだけに、波に乗れば一気に横綱まで駆け上がる可能性もありそうです」と言うのは相撲評論家の三宅充氏。力はありながら、むらっ気があり、なかなか安定した星が残せなかった豪栄道。その欠点を克服したかのような盤石の相撲内容から、綱取りもありうるというのが三宅氏の見立てだ。「悪い癖である引きぐせが影を潜めたのも、9月場所で豪栄道が好調だった理由の一つでしょう」(前出の相撲専門誌記者)

 一方、初日に稀勢の里に土をつけ、2日目は横綱・鶴竜、3日目は同・日馬富士を破って連日の金星を上げ、最終的に2横綱、3大関を撃破したのが東前頭筆頭の隠岐の海(31)だ。平幕の力士が2横綱、3大関を破るのは、実に31年ぶりの快挙だった。「おかげで隠岐の海は3日目までに懸賞を96本も獲得する荒稼ぎでした。懸賞は1本につき3万円なので、たった3日で288万円を手にしたことになります。でも、本人いわく、“懸賞金は奥さんが使うので、自分のお金は一銭もない”そうです」(前同)

 ちょうど1年前の9月場所でも初日に白鵬を倒し、懸賞50本を獲得した隠岐の海。“懸賞金ハンター”の異名も取るが、大物食いを得意としているわりに番付が上がらないのは相撲界の七不思議(?)だ。191センチ、162キロの恵まれた体躯は彼の大きな武器となっている。「体が大きくて、懐が深く、柔軟性に富んでいるところは昭和の大横綱・大鵬を彷彿させるものがあります。ただいかんせん、隠岐の海は稽古の量が少なすぎる。最高位が関脇止まりなのも、そのあたりが原因でしょう。まずは三役に定着して、大関昇進を目指してもらいたい」(前出の三宅氏)

 実際、隠岐の海は自他ともに認める“稽古嫌い”。「隠岐の海が自ら“稽古、大っ嫌いですもん”と豪語したこともありました。なんでも“実りのある稽古ならいいけど、やらされているような稽古はやりたくない”のだとか。稽古量には定評のある八角部屋のことですから、本人の謙遜もあるとは思いますが、確かに稽古熱心なほうではありませんね」(相撲専門誌記者)

 そのせいか、終盤戦は格下相手に負けが込み、失速してしまった。ちなみに、隠岐の海と豪栄道は2005年の1月場所で初土俵を踏んだ同期生。互いに負けたくないという思いは当然あるだろう。「一昨年10月に結婚してからは、だいぶ意識も変わってきました。欲も出てきたんじゃないですか」(スポーツ紙記者) 9月場所前半戦の快進撃を転機にして稽古に励めば、おのずと結果はついてくるはずだ。来場所以降の“変身”に期待したい。

 期待の日本人力士ということなら、9月場所で新関脇に昇進した髙安(26)も外せない。7月場所では、小結で3大関を撃破する活躍を見せて11勝。9月場所も終盤まで優勝争いに加わった髙安は、大関昇進も完全に射程距離に入ってきた。この勢いなら、近い将来の綱取りも夢ではない。「同じ田子ノ浦部屋の兄弟子、稀勢の里と熱心に稽古していますね。突き、押しを中心に左右どちらの四つになっても相撲が取れるのが髙安の強み。今後の精進次第では、さらに上を目指せるでしょう」(三宅氏)

 やや腰高で「ゴムまりのよう」と評される柔軟性に富んだ堂々たる体躯が、往年の人気力士・高見山を思わせる髙安は、日本人の父と、フィリピン人の母を持つハーフ。中学時代までは野球をやっていたが、父の勧めもあって地元・茨城県土浦市の中学を卒業後、鳴門部屋に入門した。「そういえば、兄弟子の稀勢の里も茨城出身の元野球部。そろって横綱になったら、大きな話題になりますね」(相撲専門誌記者)

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