「こういう長寿のすべての顔の特徴を併せ持ったのがお釈迦様。開いているのかどうか分からないぐらい細く長い目ですよね。また、舌が分厚くて大きいのも長寿の条件の一つですが、お釈迦様の舌は、仏教では顔を包むほど長いとも伝えられています。現代にあっては決してイケメン、美人の類の顔ではありませんが、平安時代には切れ長の目が美人の条件とされています」(平地氏)

 平地氏が、“均整の取れた長寿の相”として注目しているのは、フィギュアスケートの浅田真央選手の顔だという。確かに言われてみれば、お釈迦様のご尊顔に似ているかも(?)。

 次に、胴回りに注目したい。ウエストにくびれがあると長寿の傾向が強いというのだ。先に挙げた長寿の条件「小太り」と矛盾しているような気もするが、「太っていてもウエストに少しくびれがある人はいます。70歳以上で腰回りの細い人は心臓疾患が少ないというデータもあるのです」(前出のジャーナリスト)

 血液型も重要だ。B型が長寿傾向にあるのだが、「B型は気が強く、言いたいことをハッキリ言い、マイペースなのでストレスが少ないから」と思って納得する読者も多いかも。でもコレ、決して眉唾の血液型占いが根拠ではない。

 07年にニッセイ基礎研究所が発表したレポートによれば、100歳以上の長寿者に占めるB型の割合は29%。これに対し、日本人全体のB型の割合は20%程度。一方、A型は40%と一番多いが、100歳以上の割合は34%にとどまっている。

 続いては、第一子(長男、長女)に長寿が多いというもの。第一子だから、他の子より大切に育てられる……なんていうのは昔の話。「12年に米国で行われた調査によれば、100歳以上の高齢者に第一子が多いことが確認されています。さらに、25歳未満の母親から生まれた場合が、特に多かったことが確認されています。母親の胎内にある卵子は30歳以降、急速に老化していることが知られていますからね」(前出の岡田氏)

 逆に言うと、第一子であっても、高齢出産の子なら長寿条件には該当しない可能性があるということ。自分は母親が何歳のときに生まれたのか、思い出してみてほしい。

 夢をよく見る人も長寿の傾向といわれる。「夢をよく見る=眠りが浅い=十分に疲れが取れない」と連想してしまうが、なぜ? 「夢をよく見る人は、深い眠りに導く睡眠誘導ペプチドという物質の体内分泌量が少ないことが分かっています。そして、この物質の大量分泌は、健康を害するとの説があるからです」(医療ジャーナリスト)

 健康診断で医師から指摘されることが多い血圧に関しても、意外な結果がある。実は、血圧は高めぐらいが長寿にはよいとされているのだ。ただ、これは80歳以上の高齢者に顕著な話。「15年にポーランドの研究者が発表したデータでは、100歳以上の高齢者は、最高血圧140以上、最低90を超えて、さらに長生きできるという結果があります」(前出の岡田氏)

 生活環境も寿命に大きく影響している。やはり、緑の多いところで暮らしている人は長生きが多いようだ。空気がキレイなうえ、森林浴効果でストレス解消ができるからだ。その点、山に囲まれた長野県は同条件を満たしている。実際、長野県は都道府県別平均寿命で堂々1位(男性80.88歳=厚労省13年データ)に輝いている。さらに、長野県のように標高が高い場所に暮らしている人も長寿が多いという。

「気圧の関係というより、標高が高いところは人があまり住まず、その分、宅地開発が遅れて緑が多いということ。両者は密接な関係にあります。たとえ、緑が少ない場所でも、標高が1000メートル以上だと、空気が澄んでいる。有毒な排気ガスが多い都市部に比べ、標高が高い場所で暮らす人は、平均して2歳長生きとのデータがあります」(医療ジャーナリスト)

 結婚している(パートナーがいる)のも重要な長寿の条件だ。下村労働衛生コンサルタント事務所(東京都品川区)代表の下村洋一氏(産業医、社労士)が解説してくれた。

「奥さん(パートナー)が健康管理をしてくれるからでしょう。ただし、夫婦仲が悪いとダメですから、ただ結婚していればよいというわけではありません。対する独身者は、アルコール依存者が多いなど、健康管理ができていない人が多い。妻に加え、子どもがいればさらによいといえます。子どもの手前、夜遊び(暴飲暴食など)などを控える傾向があるからです」

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