「小池さんは、都民や国民がなんとなくおかしいと感じていた問題をすくい上げて、分かりやすく提示する能力に長けている。そのあたりの感覚はテレビでキャスターをしていたときに身につけたのかもしれません」(前出の小沢氏) 小池氏は1992年の参院選に日本新党から出馬して、初当選するまでは『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)の初代キャスターだった。

「彼女のテレビデビューは9~85年にかけて放送された『竹村健一の世相講談』(日本テレビ系)のアシスタントですから、約13年間、テレビの仕事を続けていたことになりますね」(民放関係者) それ以前の彼女は、エジプト・カイロ大を卒業したアラビア語の通訳だった。兵庫県芦屋市出身の小池氏は71年、関西学院大を中退してエジプトに留学。きっかけは、国連でアラビア語が公用語になったことを知ったからだという。

 政治評論家の小林吉弥氏は、キャスターデビュー前の彼女にインタビューしたことがあるそうだが、「当時から政治的なものの見方、考え方のできる女性でしたね。女性議員は数あれど、彼女ほど政治家向きの資質を備えている人は、ちょっといない。冷静で論理的で判断力のある、まさに男勝りの女傑です」

 エジプト留学時代はギザの大ピラミッドに上り、てっぺんでお茶を点てたこともあるという彼女。政界進出後の小池氏は日本新党を振り出しに、新進党、自由党、保守党、自民党と所属政党を変えてきたため“政界渡り鳥”の異名を持つが、本人いわく「変化したのは周りであって、私ではない」のだそうな。小泉内閣で環境相、第1次安倍内閣で防衛相などを歴任。自民党総務会長も務めていた。08年には自民党総裁選に出馬するなど、輝かしいキャリアを重ねてきた。

「“抵抗勢力”を作って二者択一を迫る手法や、度胸のいいケンカ師的な一面は小泉純一郎譲りかも。歯切れのいい彼女の言動に期待する人は多いでしょうが、問題はこれから。豊洲も五輪も落としどころをひとつ間違えると、一転して逆風が吹き荒れることにもなりかねません」(前出の小林氏) 女傑・小池百合子の真価が問われるのはこれからだ。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2