前々走6着以下→前走1、2着という馬が3頭もいる。アドマイヤデウス(9→2着)、サトノノブレス(8→2着)、そしてアンビシャス(16→2着)である。

 こんなふうに、前走で急激に着順の良くなった馬は、そこで上昇力を使っているだけに、更なる上積みはあるのかというのがポイントになる。グレード制がスタートした1984年以降、前々走6着以下→前走1、2着という馬は、秋の天皇賞にのべ50頭出走している。そしてその50頭が、どんな成績だったかというと[2・0・3・45]と極めて好走率が低いのだ。連対したのは、この2頭。

86年 サクラユタカオー1着(前2走14→1着)

11年 トーセンジョーダン1着(前2走9→1着)

 特記しておかなくてはならないのは、サクラユタカオーの前走の勝ちっぷりが、秋の天皇賞と同じ58キロを背負って、後続を2馬身半もちぎり捨てる圧倒的なものであったこと。一方のトーセンジョーダンは、前走の札幌記念が57キロでハナ差勝ちという辛勝だったが、そこから2カ月余りの休養をとって再調整できたのが幸いした。

 これらと比較すると、今年の3頭はいずれも、前走で負けているのに斤量増というところが苦しい。アンビシャスは二千以下なら、5戦連続で上がり33秒台を記録中だが、過大視は危険かもなあ。

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