緑川 ……クリスマスといえば、小学校高学年のとき、母がケーキ1ホール買ってくれたことがあったんです。大喜びで食べようとした瞬間、天井裏でネズミが走って私たちの頭とケーキに、粉が降ってきて。すると母は「アハハ! ホワイトクリスマスになったね!」と笑い出して……。(急に目を潤ませ)母は、本当に明るくて大好きで……う~。だから私、今月、母に韓国旅行をプレゼントするんです。これまで苦労をかけたので……(号泣しながら)。

窪田 優しい。私は結構、親に当たっちゃっていました。給食費を払えなかったときは、「こんな生活イヤ!」って。でも、小学校入学時のランドセルは買ってくれました。夜中、こそこそと「どうする?」「高いな~」ってランドセル会議していたのが聞こえてたから、買えないのかと思っていたので。

――よかったですね~。

窪田 はい! でも、なんか皆と少しだけ違ったんですよ。少し小さいというか、張りがないというか……あと、色が妙にくすんでいる赤で。「変な色!」と同級生にからかわれましたね。

緑川 あ~分かる、その色。

――共感する色があるんだ(笑)!

窪田 でも、友達は優しい子ばかりでしたよ。だけど、友達の家に行くのはイヤだったなあ。自分の家との差を感じちゃって……。

緑川 窪田さんと違って、私は友人宅によく遊びに行っていました。晩ご飯も食べさせていただいていたし、テレビもゲームもあるし。もちろん羨ましいけど、もう、その辺は乗り越えていましたね。テレビといえば当然、うちにはなかったので、壁越しに聞こえてくる大家さん宅のテレビの音に耳を澄まして聞いていました。「月9」とかハマってたなあ。

――聞き耳ですけどね……。

三秋 うちはテレビはあったけど全然つけなかったから、芸能の話題に疎かったですね。『モーニング娘。』が流行っていたときは、友達がやっていたカードゲームで名前を覚えました。

――放課後は、どんな遊びをしていたんですか?

窪田 石蹴りしたり泥団子を作ったり、一人で遊ぶ日も多かったですね。

三秋 私も同じ! 泥団子はテカッテカにできますよ!! あとは家の前でダンゴムシを見たり、白い石で地面に絵を書いたり。姉の参考書を高く積み上げて昇り降りする「階段遊び」も楽しかったです。うまくピラミッド型にして、乗っても崩れないと、一人でガッツポーズして(笑)。

緑川 私は、ゴミ捨て場から拾ってきた……じゃなくて、リユースした人形相手に自作ドラマのお芝居をしてましたね~。とにかく、お金がかからない遊び。

――でも、洋服はお金がかかりそうですよね。

窪田 うちは母が500円くらいで服を買ってくれていたんですが、今は、それでも普通にオシャレだから大丈夫でした。

三秋 私は従姉妹にもらっていました。服はとにかく何でもよかったんです。NMB初期もTシャツにジーパンで握手会に出ていて、ファンの人にプレゼントしていただけるようになってからは、スカートをはけるようになりました。ファンの人は「着てくれてる!」とうれしそうでしたが、私は、その何倍もうれしかったですねえ。

緑川 私は小学生の頃は兄のお下がりで、『地獄先生ぬ~べ~』のTシャツに短パンとか。すごくイヤで、本当はピンク色やスカートを着たかったけど、どうにもならないと分かっていたから、「ピンクやスカートは嫌い!」と言っていましたね。

――“嫌い”を装っていたんですね。

窪田 私は、好きな人に対する態度がそんな感じでした。家に呼べないし人並みに遊びに行けないから、恋は全力で諦めていたんです。私に好意を示す男子がいたら、話しかけられても無視したり。両思いになっても悲しいだけですもん

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