ゆま「現実的に禁酒が難しいなら、何をやればいいのかってことが具体的に書いてあるんですよね。特に私が気になったのは、“肉を食べろ”というお話でした。私は一時期、ダイエットしていたとき、肉を控えていたんですよね」

裴「そういう方が増えているんですね。ダイエットしかり、男性でも生活習慣病を恐れて、肉を毛嫌いする傾向があるんです。しかし、やはり肉はパワーの源。疲労回復にもなります。もちろん、肉ばかり食べるのもよろしくないのですが、週に一度、肉をしっかり食べる分には問題ない」

ゆま「あと、私が気になったのは、ストレスを溜めないコツは、“面倒なことから取り掛かる”という話でした」

裴「これは非常に大事なんですね。ストレスというのは追い詰められたときに溜まるのです。仕事にしても同じです。医者の世界では、“難しいオペは午前中にする”のが基本。その理由は大きく2つあって、難しい仕事というのは時間が読めない。何かしらのハプニングが途中で発生するかもしれない。その時、午前中ならまだ時間があるので余裕を持って対処しやすい」

ゆま「その余裕がないと、慌てふためいて、どんどんストレスになる……」

裴「そうです。そして、もう一つは、やはり人間は午前中のほうが体力もあり、頭も冴えています。効率よく仕事ができるんです」

ゆま「よーし! 今日から面倒なことから真っ先に片づけるようにします!」

裴「あと、ストレスが溜まったら、できるだけ早くアウトプットすることも大切です。“嫌だなぁ”とか“あいつ、ムカつく!”といった感情が湧き起こってきたら、気心知れた仲間にすぐ話すんです。そういう相手がいなければ日記などに書いても構いません。とにかく内に溜め込まない」

ゆま「じゃあ、居酒屋でサラリーマンの人たちがお酒を飲みながら愚痴っているのもいいことなんですね」

裴「健全なことですよ。一番いけないのは、陰性感情が湧き起こったとき、真面目な人ほど“そんなふうに考えてはいけない”と抑え込んでしまうんです。陰性感情は溜まるだけなので、外に出さないことには苦しみが増すだけなんですね」

ゆま「どんどん愚痴りますよ! でも、裴先生は完璧すぎです。仕事もできて、志も高くて、お話も上手で。欠点はないんですか?」

裴「いっぱいありますよ! 今日だって、家に名刺入れを忘れて、スタッフに取りに行ってもらったんです。忘れ物ばっかりで、妻には呆れられていますよ」

ゆま「意外(笑)。でも、そんなおっちょこちょいな一面も知れて、また親近感が湧きました。今日はありがとうございました!」

裴「こちらこそ、ありがとうございました」

裴英洙 はい・えいしゅ
1972年奈良県生まれ。医師・医学博士、ハイズ株式会社代表取締役社長。金沢大学大学院医学研究科修了。外科医・病理医として勤務後、MBAを取得し09年に起業。医業経営コンサルタントの傍ら、再建先で臨床医として医療現場に携わる。

麻美ゆま あさみ・ゆま
1987年生まれ、群馬県出身。 2005年デビューし、ブレイクを果たす。セクシーユニット『恵比寿マスカッツ』のメンバーとしても活躍。現在はタレントとして活動。最新CD『Re Start~明日へ~』が発売中。

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