今週は東西で4重賞が行われる。まず日曜日の東京はアルゼンチン共和国杯だ。ジャパンCを視野に入れる馬もいるG2重賞。今年は友道厩舎に注目したい。厩舎の大看板、マカヒキは残念ながら凱旋門賞制覇はならなかったが、秋G1の秋華賞でヴィブロスが優勝。ここらが友道厩舎の層の厚さ。このレースにも3頭がスタンバイしている。

 今年8歳のムスカテールは競走馬としての峠は過ぎたが、シュヴァルグラン、ヴォルシェーブは今後が楽しみな存在だ。まず前者は昨秋に頭角を現し、今年は日経新春杯2着から阪神大賞典勝ち。続く天皇賞でも3着に食い込んだ。6月の宝塚記念は9着に敗れたが、シュヴァルに2200メートルの舞台は距離不足。少なくとも2400メートルは欲しいステイヤーである。

 2500メートルの共和国杯はその点、舞台としては最適。ブランク明けだが、乗り込みも順調だ。10月9日の坂路初時計からコースも併用してレース2週前時点で5本の時計。CWコースでは6F追いも2本こなした。攻め馬は動かないが、量をこなせば仕上がりに問題がないタイプ。いきなり◎の期待をかけたい。

 ヴォルシェーブは一つ上の5歳馬だが、4~5歳時にかけて1年5か月のブランクがある。驚くのはそんな長休明けで、いきなり連対、2戦目で勝ち切ったこと。とても素質は高い。3歳時にG1の舞台経験もあり、重賞戦線では今後の注目株になる。シュヴァルより1週早い立ち上がりから坂路で8本の時計を計時。こちらも仕上がりは◎。友道厩舎のワンツーまで考えておきたい。

 同じ日曜日、京都ではみやこSが行われる。1着馬にG1チャンピオンズCの優先出走権が与えられるG3戦で、主役はアスカノロマンだ。前走のマイルCS南部杯は4着。強敵相手に3か月半ぶりの出走はつらかった。しかも勝ち時計は1分33秒5と芝なみだから、より厳しかった。今年は年明けの東海Sで初重賞勝ち。5月の平安Sで2度目の重賞勝ち。グンと力をつけてきた。叩き2走目で得意の京都ダートの設定も有利だ。馬体も引き締まって中間気配も大幅に上がっている。

 土曜日は東西で2歳重賞がある。京都のファンタジーSはフランケルの牝駒ミスエルテが最有力。デビュー戦を持ったまま抜け出した逸材だ。東京の京王杯はレーヌミノルが主役だ。デビュー2連勝で前走の小倉2歳Sは6馬身差の圧勝。牡馬相手でも勝負になるダイワメジャーの牝駒だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

本日の新着記事を読む