2人のバトルは約10年前から始まっており、そもそもは私的な怨念によるところが大きいという。だからだろうか、この「東京五輪抗争」は止む気配もない。

「小池さんは、知事になる前から“復興五輪”、そして五輪のコスト削減をやろうとしていて、遠藤利明五輪担当大臣(当時)にも会っていたんです。こうした万全の準備に加えて、現在は80%以上の支持率がありますから、一歩も引かないと私は見ています」(前出の鈴木氏)

 確かに、舌鋒の鋭さは衰えることはない。その裏で、「小池氏は森氏の恥部を探っていると、もっぱらです」と言うのは、前出の都庁関係者。「10月8日、東京都は、東京五輪時、国内外の報道陣の拠点となる東京国際展示場(東京都江東区)の増改築工事の入札を行ったところ、清水建設のJV(ジョイントベンチャー=共同企業体)が、330億4800万円で落札したんです」(前同)

 これだけなら、まったく何も問題はないが、「4つのJVが手を上げ、入札額が最も高かったのが清水。最低のところとは、約34億円もの差があった。ところが、他の3つのJVより、技術点が非常に高かったことから逆転となった。だが、他の3JVの1つは、今の東京国際展示場を建てた間組(安藤ハザマ)。技術力に差はないはず。そこで、小池氏サイドは、森氏と清水建設の蜜月を疑っているようです」(同)

 元労働大臣で、先の都知事選に立候補し、森会長を徹底追及した山口敏夫氏はこう語る。「アンフェアもある政治の世界にいた森さんが、その対極のフェアプレーが求められる東京五輪委員会トップに就けば、いろんな疑惑や問題も出てきて当然です。ですから、森さんやバッハがいくら文句を言おうが、新しい大会組織委員会を作り、森さんが会長に就任して以降の包括的検証をすべき。国民は、それを求めているんです。小池さんが、2000億~3000億円のコスト削減をしても、画龍点睛を欠く。それだけでは、小池さんの支持率は年内に50%以下に落ちるでしょう」

 小池氏の次なる一手は、何か――。

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