小池百合子都知事を悩ませる「東京五輪のドンブリ予算」の画像
小池百合子都知事を悩ませる「東京五輪のドンブリ予算」の画像

 増えるぞ、増えるぞ、倍率ドン! 雪だるま式に膨らむ開催費用は、まぎれもなく我ら庶民の血税。“プライスレス”とは言わせない!

「まるで“底なし沼”ですね……。いつ決着するのか、見当もつきませんよ」 東京都のある部局の職員は、こうため息を漏らす。以前から高騰が問題視されていた2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催費用が、まさに天井知らずであることが判明しつつあるのだ。

「小池百合子都知事がコスト削減に努めていますが、正直言って、どこまで増えるのやら……」(前同) “都民ファースト”を掲げる小池知事は就任後、すぐさま有識者らからなる調査チームを立ち上げ、その詳細なリサーチを開始。9月29日に発表されたその結果は、驚くべきものだった。

「招致時に“コンパクト”を売りにした東京五輪は、当初は総予算およそ7340億円の予定でした。ところが、調査チームからは、実際にかかる費用が3兆円超になるという結果が上がってきたんです」(同)

 実に4倍以上。法外と言えばあまりに法外だ。そもそも、なぜ、これほど費用が膨らんでしまったのか?「五輪には、競技場の建設・整備はもちろん、周辺環境の整備、大会運営に関わる費用など、さまざまな細かいお金がかかります。ですが、大会組織委員会(以下、組織委)が招致の際に示した予算はあまりにも希望的観測であったり、そもそも盛り込まれていない事項もあったりして、完全なドンブリ勘定だったんです」(全国紙社会部記者)

 組織委を率いるのは、森喜朗会長(元首相)。小池知事の就任前から、五輪予算に切り込もうとする小池氏をたびたび牽制し、火花を散らしてきた。「ソチ五輪の際は5兆円かかっている。五輪は大変なお金がかかると、あえて申し上げたい」と開き直った発言も残している森会長。

 とにかくジャブジャブ税金をつぎ込もうとする一方、その工事の受注企業などとの、あまりに“親密な”関係を取り沙汰する報道もあっただけに、森氏の言葉を額面通りに受け取るわけにはいきません。都知事も、それを分かったうえで予算削減の狼煙を上げているんです」(前同)

 ひと言で「五輪の経費」と言っても、いったい、どのようなものがあるのか?現在、“予算戦争”の主戦場は、いわゆる「恒久施設」。五輪後も継続的に使用され続ける施設で、いったん決まった設計者が変更になったりとドタバタが続いたことで問題となった新国立競技場が代表例だ。

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