アメリカがくしゃみをすると、日本は風邪を引く。“一蓮托生”とされてきた日米関係は激変を避けられないのか!?
世紀の番狂わせが起きたアメリカ大統領選。下馬評で圧倒的優位を誇っていた民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官(69)が逆転負けし、共和党のドナルド・トランプ候補(70)が第45代アメリカ合衆国大統領に就任することが確実になった。
「米大統領選は、国民の投票結果を受けて、州ごとの選挙人(上院、下院議員や党幹部、州知事ら)が投票する間接選挙制。全州から選出された538人の選挙人の投票は、12月19日(現地時間)に行われ、そこで改めてトランプ大統領が内定します」(全国紙外信部記者)
聖書に宣誓する正式な就任式は年明け1月20日。アメリカどころか、全世界が仰天した結果に終わったが、不可解なのは事前に「トランプ優位」を報じたメディアがほとんどなかったこと。米共和党関係者が言う。
「CNNをはじめ、アメリカの大手メディアは、すべて“ヒラリーびいき”でした。逆に言うと、それが異常だったんです」 トランプ氏は選挙期間中、精力的に集会を開き、1万人近く入る会場でも立ち見が出るほどの盛況ぶり。一方のヒラリー氏は、動員力に自信がないためか、体育館やフィットネスクラブなどの収容人数の少ない会場ばかりで集会を開いていたという。
「報道は会場の大きさまで伝えません。しかも、メディアはトランプ氏の集会の熱狂ぶりを黙殺し続けました」(前出の共和党関係者) 選挙戦終盤にヒラリー氏のスキャンダルが噴出し、トランプ氏に“神風”が吹いたのも幸いした。
「かねてより、金に関する疑惑は囁かれていましたが、決定的なダメージとなったのはメール問題です。ヒラリー氏は国務長官時代、機密情報を含む職務上のメールを私用のアカウントで送信していました。FBIが捜査に乗り出したものの、捜査関係者にヒラリー陣営のスタッフが接触。もみ消しを図り、訴追を免れたともいわれています」(前出の外信部記者)
米国のエスタブリッシュメントを多く取材する国際ジャーナリストの大野和基(かずもと)氏が、こう指摘する。「ヒラリー氏が“カネの亡者”であることはよく知られています。一番分かりやすいのは、クリントン財団。表向き、非営利を謳いながら、集まった金のほとんどは、私利私欲に使われているといわれています。彼女がウォール街の大手金融機関で講演し、巨額の謝礼を受け取っている話は有名ですが、金の儲け方がまともではありません。一方、トランプ氏は自らビジネスをして儲けていますからね」