「トランプ氏は公約で、中国政府による為替操作や、不当なダンピングに対して厳格に対処すると宣言しています。ですから金融経済面では“アンチ中国”となるはずですが、安全保障は微妙です。“世界の警察の放棄”と“アメリカ・ファースト”を掲げるため、南シナ海での人民解放軍の狼藉を放置する可能性もありますね」(前出の外務省関係者)

 これは、安倍政権としては絶対に見過ごせない事態。「対中政策をどう転がすかが、安倍政権の正念場になるでしょう。プーチン大統領と関係を深め、中国を牽制するオプションも視野に入れるはずです」(前同)

 とはいえ、外交は、とどのつまりトップ同士の信頼関係で決まる。トランプ氏はどんな人物なのか? 「ワンマンというイメージがありますが、普段は人の話を熱心に聞き、穏やかな人物です。一方で負けん気が強く、敵に対してはとことん攻撃する性格ですから、強面に映るんでしょうね」(あえば氏)

 こうした“ジキルとハイド”に対峙する安倍首相は、「東京五輪誘致の演説で“放射能は完全にコントロールしている”と大見得を切るほど、図太くなった感があります。ソリが合うかどうかはともかく、トランプ氏相手でもうまく対応できるはず」(前出の小関氏)

 総裁任期延長を決め、長期政権まっしぐらの安倍首相。11月17日、ニューヨークで2人は直接会談したが、さて、今後どうなる!?

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